【第1,432号】 「感情」は、自分で選んでいる?~アドラーが語った“性格”の正体~
アドラー心理学の『生きる勇気』に、「えっ?」と驚くような考え方が紹介されていました。
副題の『なにが人生を決めるのか』に惹かれて、思わず手にした一冊です。
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人は常に、自分の考えを「感情」によって正当化しようとする。
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たとえば、「いい仕事をしたい」という目標があるとしましょう。
その人の中には
「やる気を出そう」
「ミスをしないように慎重になろう」
「お役に立って感謝されたい」
といった感情が生まれます。
このときの感情をアドラーは
「その感情は、目的に応じて“自分でつくっている”」
と語ります。
つまり、怒りや不安、やる気や慎重さといった感情は、
外からの評価や出来事に“反応して”生じるものではなく、
自分の“価値観”(=生き方のクセ、ライフスタイル)に沿って、
意図的に“選び取った”感情だというのです。
これって、凄くないですか?
私たちは、他人(上司や部下、友人、更には家族も含めて)によって、
感情が引き起こされると思っています。
でもアドラーによるとそれが違っているんですね!
私たちがふだん抱く感情は、
実は「こうしたい」「こうされたい」といった
自己都合の目的に沿って生まれていることがあります。
そして、その目的に沿った感情を繰り返すうちに、
それが“性格”として定着していくのです。
つまり
・感情は、目的に従って生まれる
・感情の積み重ねが、性格をかたちづくる
・「目的」を変えれば「性格」も変えられる
ということになります。
「自分は怒りっぽい性格なんだ」
「私はすぐに不安になってしまう性格で…」
そう思い込んでいたことも、
実は「そうあったほうが都合がよかった」からなんです。
例えば、自分が多忙で、ある案件を部下に任せたところ、
思ったような結果にはなりませんでした。
本来なら、自分と同じ水準の成果が得られて「助かった!(=目的)」と喜びたかったのに、
部下の不手際により、かえって手間が増えてしまった…。
イライラが募ります。
こうした感情を繰り返すうちに、
部下へ仕事を依頼→先入感として既にマイナス感情が生じている→
案の定、期待外れの場合、イライラが更にマイナス感情を加速させ、
それが定番の感情=性格となってしまうのです。
これを逆から見ると、
「目的を変えれば、感情も性格も変えられる」
ということになります。
上記の部下に案件を任せるという事例も、
「自分の代わりにやってくれることに感謝」
「部下の成長を確認する機会にしよう」
という目的にすれば、部下の不手際から生じる感情も違ったものになります。
このように目的をシフトするだけで、感じるストレスや怒りの質が変わると
アドラーは教えてくれているのです。
さらに、「先入観としてすでにマイナス感情が生じている」こと自体にも問題があります。
なぜなら、それは部下に仕事を任せる前から、上司の中に疑いが芽生えているということだからです。
この先入観を変えるためには、上司自身が意識を修正する必要があります。
「今度は大丈夫、きっとやってくれる」そう信じて任せること。
そして本当に「やってくれた」という成功事例を一緒につくっていくことが大切です。
上司も部下も、こうした小さな成功体験を積み重ねることで、
先入観に基づくマイナス感情は、自然と払拭されていくのです。
■本日の教訓
性格とは、“目的に沿って繰り返した感情の履歴”である。
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