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【第348号のテーマ】 臨界期と語彙

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【第348号のテーマ】 臨界期と語彙

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345号で「三つ子の魂百まで」についてお伝えしました。

前半はそれに近い内容になります。

臨界期と言う言葉をご存知でしょうか?

発達心理学、教育心理学でよく使われる言葉です。

人間がある能力を身に付けるためには、

超えてしまうと習得が難しくなる時期がある、

という説です。

幼少期に人間の環境で育たなかった「狼に育てられた少女」の事例をお伝えします。

1920年、インドの山中で狼の群れから

2人の少女「アマラ」推定8歳、「カマラ」1歳半程が救出されました。

二人は立ち上がって歩くことはできず、四つ足歩行でした。

食事は生肉と牛乳で、食べるときは手を使わず、犬や猫と同じ様な食べ方でした。

聴覚と臭覚は異常に鋭く50メートル以上離れた場所にある生肉を嗅ぎ取り、

そちらに四つ足で走ったそうです。

暗くても目が利く代わりに日中はモノが見えにくく、

寒暖差への反応もほとんど無かったそうです。

小さいカマラは約1年後に死去しました。

アマラの養育者は人間の社会に適応させるため、

約16歳で亡くなるまでの8年間を熱心に教育し、

やがて二足歩行ができるようになり、覚えた言葉はおよそ50語になりました。

臨界期を過ぎると言語の習得が相当困難になるという一つの事例です。

ここで不思議なのは、外国語などの第二言語を習得している人はどうなの?

ということです。言語の臨界期説にあてはまりません。

一家で外国に移住した場合、

親よりも子どもの方が外国語を早く、上手に使いこなせている事例を見ると

言語習得の年齢は大きな影響があると言えます。

実は、聞き取る力と発音力が子どもは長けていることと

物怖じしないという要素も大きいみたいですね。

大人にしても子どもにしても第二言語の習得には第一言語が基本となります。

第一言語で文法や言葉の意味を理解し、豊富な語彙量を持てば

大人になっても第二言語を習得できるのです。

アマラは言葉の臨界期を超えたために、文法を学べず、故に語彙も増えなかった、

と言えます。

さて、ここからが大切です。

「語彙」についてお伝えします。

コミュニケーションがうまく行かない時に「語彙」を考えて下さい。

語彙には種類があります。

1.基礎語彙

言語の根幹をなし、使用頻度が高く、日常生活に不可欠で

子どもでも知っている言葉のことです。

手足、父母、食べ物、動物、走る、自動車、美しいといった

身体語、親族語、身近な名詞、基本動詞や形容詞ですね。

2.基本語彙

誰もが日常で使うわけでは無いけれど、対象となる文章や話を理解するのに

不可欠な言葉のことを言います。

小売業で働いている人と製造業で働いている人は職場で話す語彙は違います。

そのように考えるとご理解を戴けると思います。

新入社員とベテランは基本語彙量が違うので、理解できないことがあります。

ベテランは自分が知っている言葉の多くを新人は知らない、

と思って言葉の意味を説明しながら話すと良いでしょう。

3.理解語彙

意味を知っている言葉のことです。

4.使用語彙

自分が使うことのできる言葉のことです。

理解語彙量>使用語彙量となります。

読めるけれど書けない漢字も理解語彙となります。

「ちゃんとやって下さいね」

「意識して頑張ります」

こういう言葉がよく職場で発せられます。

聞いていると何となく理解できますが、実際には「何をするのか」解りません。

これが理解語彙と使用語彙です。

部下に正しく成果を出させるには、

理解語彙を使用語彙(正しくは行動語彙)に変える事です。

理解語彙で終わらないようにしてください。

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