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【第355号のテーマ】 息子への手紙
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福沢諭吉に育てられ、後に慶應義塾大学の学長となった小泉信三氏が
著書「海軍主計大尉小泉信吉」で披露されている手紙を紹介します。
実は、私は上記の書でこれを知ったのではなく
またまた、林覚乗ご住職の著書「自分が好きですか」の中の
第12節 お母さんのいきざま
に掲載されている引用で知りました。
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君の出征に臨んでいって置く。
吾々両親は、完全に君に満足し、
君をわが子とすることを何よりの誇りとしている。
僕は若し生まれ替って妻を撰べといわれたら、
幾度でも君のお母様を選ぶ。
同様に、若しもわが子を撰ぶということが出来るものなら、
吾々二人は必ず君を選ぶ。
人の子として両親にこう言わせるより以上の孝行はない。
君はなお父母に孝養をつくしたいと思っているかも知れないが、
吾々夫婦は、今日までの二十四年の間に、
凡そ人の親として享け得る限りの幸福は既に享けた。
親に対し、妹に対し、なお仕残したことがあると思ってはならぬ。
今日特にこのことは君に言って置く。
今、国の存亡を賭して戦う日が来た。
君が子供の時からあこがれた帝国海軍の軍人として
この戦争に参加するのは満足であろう。
二十四年という年月は長くはないが、
君の今日までの生活は、如何なる人にも恥しくない。
悔ゆるところなき立派な生活である。
お母様のこと、加代、妙のことは必ず僕が引き受けた。
お祖父様の孫らしく、又吾々夫婦の息子らしく、戦うことを期待する。
父より
信吉君
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若しもわが子を撰ぶということが出来るものなら、
吾々二人は必ず君を選ぶ。
人の子として両親にこう言わせるより以上の孝行はない。
なんという親子なのでしょう。
この親ありて、この子あり
だと思います。
敗戦によってたくさんのものを失った日本ですが、
こういう日本人の心根までも失った様に思います。
ちなみに学徒動員で出征した慶應大学の学生500名も
小林信吉氏も二度と還ることはありませんでした。
追記
私は人の親として、全然、駄目です。
精進し直します。
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