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【第500号】 情念が壁を突き破る

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【第500号】 情念が壁を突き破る

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500号です。まだ500号であり、もう500号でもあります。

19年の9月2日が創刊号ですから、約23ヶ月ちょっとの道でした。

情念とは

心の底から湧き上がり、抑えようとしても抑えきれない思い。

断ち切りがたい悲・喜・愛・憎・欲などの強い感情の事を言います。

(ベネッセ 表現読解国語辞典より)

同辞典には、

四谷怪談でお岩が髪をすくたびに髪が抜けていく「髪梳き(かみすき)」の

場面の引用があり、以下の様に記載されています。

お岩は、髪を梳くことによって恨みの情念をわきあがらせ、

次第に怨霊へと変身していく

情念の深さがご理解いただけるかと思います。

皆さんは仕事をするときに情念をもって仕事をされていますか?

私はメガバス株式会社の代表取締役 伊藤由樹氏を尊敬しています。

ルアーフィッシングをしている人でメガバスや氏を知らない人はいないでしょう。

たった一人で起業して、現在、日本で最も人気を得ているメーカーの一つです。

世界中に愛用者がいます。

氏は巨大企業の研究開発職を辞職してルアーメーカーとなる決意をします。

周囲の多くの人が彼を非難しますが、彼は自分らしく生きる道を選びます。

志は高いものの現実は厳しく、思った様にルアー開発が進みません。

家と工場の往復の日々はやがて、工場とテストフィールドの往復の日々に変わります。

髪も髭も伸び、仙人のような様相になり、身体から異臭が漂います。

やがて貯蓄は尽き、友人は去り、新婚の奥さんも彼の元を去ります。

少ない従業員も彼の妥協無き姿勢に去って行きます。

それでも氏は自分の理論を信じ、スクラップビルドを繰り返します。

雪が舞い散るある日、いつものようにダム湖の凍った堰堤の上に立ち、

ルアーを投げます。

気が緩んでいたのか、失意と悲観からか、氏は足を滑らし、

7M落下し、失神をします。

身体に積もった雪の冷たさとズキンズキン響く痛みに

目を覚ました氏は、自分の周囲に広がるドス黒い血だまりを見て

何が起こったのか、そしてどれだけの時間が過ぎたのかを知ります。

血だまりの中にバラバラになった試作ルアーが転がっています。

それを見た氏は、号泣をします。

いまだかつて出たことが無いほどの涙が溢れます。

あまりに大きな泣き声のために、滑落事故に気付かなかったダムの関係者が

大丈夫か?と駆けよってくるほどの大泣きだったのです。

氏の涙は悲しみの涙ではありません。

歓喜の涙だったのです。

血だまりの中にある壊れたルアーは偶然にも氏の発想の中にはなかった

重心移動レイアウトができていたのです。

何度となく、計算や試作をし、周囲から誰もいなくなっても追い続けた

重心移動システムが、偶然の滑落と大けがによって氏の元にもたらされました。

魂に刻むようにそのレイアウトを頭に入れ、壊れた試作ルアーを拾い上げ、

車に戻った氏は、頭から流れでる血で車のガラスにレイアウトを書き写します。

そのまま工場に戻った氏は図面を引き直し、試作をスタートさせます。

こうやって完成したのが

DEEP-X

です。

このルアーは多目的重心移動システムを持つルアーとして

世界と国内で特許を持ち、グッドデザイン賞と中小企業庁長官特別賞を受賞しています。

強風でも安定した飛行をし、ポイントに確実に届くこのルアーから

メガバスの快進撃が進みます。

情念を持って仕事をするから神様が壁を突破できる様にご褒美をくれます。

私はこんな情念をもって仕事をしていません。

でも、今日はここまでにしておこうか・・・と思った時に机の上に置いているDEEP-Xが

「もうひと踏ん張りしようよ」

と告げてくれ、そこから「ふた頑張り」します。

それが伊藤由樹氏へのオマージュだからです。

※オマージュ:既存の作品、人物、発言などに対して敬意を表すること

追記

先日、久し振りにバス釣りに行きました。

残念なことに白波が立つほどの強風でした。

セオリーでは、スピナーベイトかバイブレーションでしょうが、

私はDEEP-X100が定番です。

これで釣れていたらこのメルマガも良い落ちとなるのですが、

そうはうまく行きません。

何を投げても釣れません。

あげく、DEEP-X100を結んで立てかけていた、メガバス オロチXXX F4-610が強風で

吹き飛ばされ(倒れてではなく吹き飛んで)、TIP(竿先)が折れてしまいました。

先日よりヤフオクでテールウォークに色目を使っていた私へオロチが「怨念」を

向けてきたのでしょうか?

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