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【第712号】  「元気」についての誤解~渋沢栄一翁~

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【第712号】  「元気」についての誤解~渋沢栄一翁~

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元気がいい

今日は元気がない

あの人はいつも元気

子供は元気が一番

あの人は高齢なのに元気いっぱい

あの会社は元気がある

このように元気という言葉を様々な場面で使っていますが、

元気の意味を人に説明するのはちょっと難しいと思います。

そこで今回は渋沢栄一翁の「論語と算盤~人生活学篇~」(現代語訳:奥野宣之氏)

P24にあります「元気についての誤解」をご紹介します。

やや長目の文章で申し訳ありませんが、要約が難しいので最後までお読み下されば

翁の言われる「元気」の意味をご理解いただけると思います。

(※がついている言葉は翁の文章の下に私が補足説明を加えています)

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「元気」についての誤解

「元気」とはどんなものか。

これをハッキリ定義するのはとても難しいけれど、

漢学で言えば、孟子の言う「浩然之気(※)」というのに当たるでしょう。

世間ではよく「青年の元気が‥‥‥」といった言い方をしますが、

青年にだけ元気があって、老人にはなくていいというわけではありません。

元気は何歳だろうと、男女を問わずなくてはならない。

大隈大臣(大隈重信、1838~1922年)なんて私より2歳も上ですが、

その元気さはすごいものです。

孟子の「浩然の気」については、孟子が

「それは限りなく大きく、限りなく強いもので、伸び伸び育ててやると、

天地のあいだいっぱいに広がる」

と、このように言っています。

この「限りなく大きく、限りなく強いもので、伸び伸び育ててやる」

という言葉は非常におもしろい。

世間では、よく「元気がない」とか「元気を出した」とか言います。

場合によっては、だいぶ酔っぱらって声が大きくなってくると

「彼は元気がいい」と言ったり、

反対に黙っていたら「元気がない」などと言います。

しかし、警察に注意されてしょんぼりするといった「元気」は、

決して褒められたものではありません。

また人と争うとき、自分が間違っていても強情を張り通す。

こういうのも「元気がいい」と思ったら大間違いです。

これはまるっきり元気というものを誤解しています。

さらに言えば、「気位が高い」ということも「元気」でしょう。

福沢先生(福沢諭吉、1834~1901年)がしきりに言っていた

「独立自尊(※)」のうち、この「自尊」なんかも、

あるケースでは「元気」と言えます。

自ら助け、自ら守り、自ら治め、自ら活きる。

こういったことに通じた「自尊」であれば、いいものです。

しかし、自治や自活といったことは、それ相応の働きがあればいいものの、

「自尊」というものを誤解してしまったら「傲慢」となり、

何かと不都合が出てきます。

すべてがマイナスに作用し、ちょっと道を歩いていても、

「自尊」を勘違いした人は「オレはどかない」と言って

クルマにひかれたりといったハメに遭う。

と、こういうのは元気ではないと思います。

元気というのはそんなものではないのです。

つまり、孟子の言う「至大至剛(※)」。

至って大きく至って強いもの。

そして「以直養(※)」。

道理にかなっているという意味の「至誠」をもって養われて、

それがいつまでも継続する―そういうものなのです。だから

「昨日はちょっと酒が入って元気だったけれど、今日は疲れちゃったな」

といった「元気」ではダメなのです。

正しいやり方で体を養い、腹が減っていなければ

「天地のあいだいっぱいに広がる」。

これこそ本当の元気だと思います。

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※浩然之気(こうぜんのき):天地の間に満ちている活力や生命力の源となる気

※独立自尊(どくりつじそん):人を頼りにせずに、自分で考え、判断し、

自分の責任で決定や行動をすること。

※至大至剛(しだいしごう):この上なく大きく、この上なく強いこと。

※以直養(なおきをもってやしなう):浩然の気は正しく養い、

損なうことのないようにすれば、天と地の間に一杯に満ちるでしょう。

私は最初に読んだ時に「元気」の意味がわかったような、

わからないような微妙な感じでしたが、上記の※の言葉の意味を調べ、

それを繋げて読んでみると理解できました。

皆さんももう一度、※の箇所を御確認下さい。

令和の日本は元気があるでしょうか?

戦後から高度成長期の日本の元気に比べて、

今の日本は随分と弱々しく感じます。

今後、戦争体験者や戦後の日本経済を引っ張られた方々が鬼籍に入られると

ますます元気を失うのではと心配です。

皆さんの会社は元気がありますか?

社風に若々しさはありますか?

社員や経営者の描く夢を未来に具体的な形とするには元気が無ければできません。

どんな困難なこともそれを乗り越える元気が求められます。

ちょっと困難に出会うと弱音が出るようではダメです。

翁は傲慢はダメと言われてましたが、

少しくらい傲慢じゃないと今の時代は元気を失いそうです。

いろんな会社がありますが「いつも元気な会社」がたくさん出てくると

日本の経済も好転しそうな気がします。

円安や円高は日本の元気度を示していると思います。

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