【第859号】 無駄と感じることが無駄
仲間にありがとうを伝えるために「サンクスカード」を書こう！
と新しい取り組みを発表すると
わざわざ書かなくても口で言えば良いのだから、そんなの無駄でしょ！
という人がいます。
会社の備品を使いたいときにどこにいったかわからない
使おうとしたら在庫がなかった
このようなことを防ぐために「三定（定位・定品・定量）」をルール化しましょう
置く場所を決め、そこに表示をします
置くものを定めるために、置く場所にその写真を貼ります
置く量を決めるために、在庫が幾つになったらどこへ幾つ発注するかを見える化します
と新しいルールを決めようとすると
一人ひとりがちゃんと片付ければ良いでしょう
総務がちゃんと管理すれば良いでしょう
そんなことに手間暇掛けるのは無駄じゃないですか？
という人がいます。
新入社員の女性に来客にお茶を出すように頼むと
私はお茶くみのような雑用をするために入社したのではありません
と私は言われたことがあります。
北九州にあるバグジーというお客様からの評価が極めて高い美容室があります。
そこでは、雨が降りそうになると自転車のサドルにスーパーの買い物袋をかけます。
お客様は来店されるときに店側にフロントタイヤを向けて駐められます。
帰るときは一旦バックさせて、向きを変えてこぎ出されますので、
バグジーさんでは、お客様が帰られる前に自転車の向きを変えておきます。
その際、チェーンに油が切れていたら油を差し、
タイヤの空気が減っていたら空気を入れます。
これらをやったから、カット単価が上がる訳ではありません。
他の美容室ではやってません。
雑用でもない無駄と言えるでしょう。
しかもこれらの作業は免許を持っていない新人がすると決まっているわけではなく、
気が付いた人間が手すきの合間にするようになっています。
ですから予約で一杯のスタイリストでもお客様がほんのわずか途切れたときや
自分の休憩時間にします。
サンクスカードも三定もバグジーさんも無駄と思うと無駄です。
価値があると思えばそれは経験となって、蓄積されます。
これらに時間を使うことを時間の無駄使いと思うか、
時間をかける必要がある未来への投資と思うか、
それは自分の心が決めることです。
無駄と感じたときこそ、その無駄を価値に変えるチャンスと思うべきです。
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