【1578】 観光客が日本に驚く理由〜道徳心と道義心の高さ〜
日本に来る外国人が驚くものに、観光地の美しさや、食事・サービスの質の高さがあります。
さらに治安の良さ、街の清潔さも驚きの対象になります。
では、なぜ日本ではそれらが「当たり前」に感じられ、
訪れた外国人には「信じられないほど整っている」と映るのでしょうか。
私はその理由を、日本社会に根づいている「道徳心」と「道義心」という二つの心にあると思っています。
道徳心は、社会に広く共有されている規範やルールに従おうとする心で、
「こうした方が良い」といった外側の基準に自分を合わせていきます。
一方で道義心は、自分の内側にある「義(=誠・筋・仁・信)」を守ろうとする心で、
損得ではなく「筋が通っているか」を大切にし、誰が見ていなくても正しく振る舞う姿勢です。
「外側の基準である道徳心」と「内側の基準である道義心」
この二つが日本人の行動を形づくり、「民度の高さ」の土台となってきました。
では、この二つの心はどこで育まれたのでしょうか?
私はそれが「義務教育」と「親の躾け」であると考えています。
学校では、挨拶・掃除・班活動・運動会などの体験を通じて、自然と協調性や責任感が育ちました。
家庭では、親の背中が最大の教育でした。
挨拶、人への配慮、物を大切にする姿勢、我慢する力、約束を守るという毎日の積み重ね。
こうした経験が子どもの内側に「義」を育て、日本社会のあり方を静かに形づくってきました。
外国人が日本を訪れて驚くのは、この“見えない教育の歴史”が社会全体に染み込んでいるからでしょう。
法律があるかどうかではなく、社会がどう振る舞っているか。
それを支えているのが道徳心と道義心です。
企業にも、これを大切にしているところがあります。
「クレド」を定め、社員の道徳心・道義心を企業文化として育てていく取り組みです。
さらに、人としてどうあるべきかを問い直す「心の研修」に力を入れる企業も多く、
そうした企業の社員は社会・顧客・同僚との関わり方に明らかな違いが見られます。
結果として、事業成果も高くなります。
心が整えば、成果は自然とついてくるからです。
しかし一方で、近年の学校教育や家庭の躾けは弱まっています。
そして企業の現場でも、「ワークライフバランス」や「ハラスメント」への懸念から、
上司が部下に深く関わることを避ける傾向が広がりつつあります。
本来なら育てられたはずの力が育たず、指導すべき場面で指導できていません。
これもまた、未来の日本の民度を揺るがす大きな要因になると感じています。
日本の良さは偶然ではなく、長い時間をかけて育てられてきたものです。
その価値に気づき、守り、次の世代へ渡していくこと。
いま私たちに問われているのは、この覚悟なのだと思います。
■本日の教訓
心は見えないが、心がつくるものは誰の目にも映る
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