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【第432号】 孔子とバス釣り
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本日は論語からの学びです。
釣して綱せず、弋して宿を射らず
釣(つり)して綱(こう)せず、弋(よく)して宿(やど)を射(い)らず
綱(こうは網ですね。魚網という意味です。
弋(よく)とは イグルミとも読みます。鳥などの獲物を捕る狩猟方法です。
矢に糸をつけて、その糸に鳥の羽を絡めて、捕獲します。
宿(やど)とは、ネストすなわち巣のことです。
釣りをしても、網を使って、水の中にいる魚を根こそぎとってはいけない
矢を使って鳥を射るのは良いが、鳥の巣を狙って、ひな鳥を捕獲するのはダメですよ
と孔子は言っています。
孔子は何を教えてくれているのか、と言いますと
欲張り過ぎてはいけません。節度をわきまえましょう。根こそぎはダメです。
と言うことで、「自分さえ良ければ、それで良い」という考えを戒めています。
ビジネスにおける「一人勝ち」は「やり過ぎ」と言う事になります。
共存共栄があるからこそ、正しく競争できます。
昨年のコロナ禍がスタートした頃、市場にマスクが不足しました。
とんでも無い価格で売られていました。
共存共栄やおかげさまとは程遠い「「自分さえ良ければ、それで良い」でした。
憤りを感じた方もたくさんいらっしゃったと思います。
それに憤り感じたならば、ご自身も
釣して綱せず、弋して宿を射らず
であるべきです。
これを痛切に感じたことがありました。
以下にお伝えします。
バス釣りでは、今が一番よく釣れる季節となっています。
何故か?
スポーニングという産卵期だからです。
産卵期には、メスは栄養を高めるために、荒食いをします。
オスは浅瀬に産卵床(ネスト)を作り、メスを待ちます。
ネストは体とひれをスコップのように使って作ります。
メスはオスが用意したネストを回遊し、産卵します。
ネストを作ったオスは、メスが産んだ卵を守ります。
ですので、卵を狙いに来た他の魚を口を使って追い払う行為をします。
ネスト作りでボロボロになりながら、自らは捕食をせずに守ります。
そのメスとオスを釣り上げるのが春のバス釣りになります。
私はこの時期、ネストを狙うような釣りは絶対にしません。
沖に遠投して、スポーニングと関係の無いバスを釣ります(釣れませんが・・・)。
ブラックバスではなく、他の動物に置き換えて考えて下さい。
出産に備えて体力を付けようとしている母親
出産場所をボロボロになりながらも作り、
母親を産んだ子供を飲まず食わずで守ろうとする父親
それを釣り上げる行為を「万物の長」である人間がしても良いのでしょうか?
しかも遊びのためにです。
先日、琵琶湖の北の方で湖に腰まで浸かったウェーディングで
ベビキャロという岸から遠いところを狙った釣りをしていました。
岸近くまで寄せていたバスボートに乗ってネストの釣りをしている人の声が
静寂の中でよく響いて聞こえてきました。
あの人何してるんやろ(笑)
今の時期はネストやろ(笑)
そう言いながら、ネストで守っているオス1匹を3人がかりで1時間も
いろんなルアーで攻めていました。
あげくネット(玉網)で掬おうとまでしていました。
ようやく釣り上げて、大喜びの声をあげていました。
その後、そのバスボートは周囲にフローター(釣り用の浮き輪)で
釣りをしている人や私と同様にウェーディングをしている人に
大きな引き波を浴びせて、走り去っていきました。
釣り上げられたオスバスはリリースされたら、間違い無く
ネストに戻って、また卵を守っている筈です。
それを考えるといたたまれなくなり、その日は釣りを辞めました。
釣して綱せず、弋して宿を射らず
孔子は今の時期のバサーにこそ、言いたかったのかな?
と今は思います。
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