【第1,055号】 「小人」の用い方
本日は、
「南州翁遺訓 西郷隆盛が残した『敬天愛人』の教え 著者 松浦光修」
から西郷さんの人の用い方を紹介します。
文中に出てくる「小人(しょうにん)」とは小さい人という意味ではありません。
また「君子」という言葉も出てきますが、これは人格者という意味でもないようです。
西郷さんの時代ですから武家社会です。
武家社会には、主君の指示を家中に伝えて、
様々な庶務を指示管理する役目につく有能な用人(ようにん)がいました。
この用人のことを君子と言っているようです。
その用人の指示を受けて、雑事をする人を小人と理解すると良いでしょう。
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”小人”の用い方
ある時、西郷先生が、こうおっしゃった。
「人を採用する時に、“君子”と“小人”を、あまりにも厳しく見わけて、
徹底的に“小人”を排除しようとすると、かえってよくないことが起こるよ。
なぜ私が、そういうことを言うのか、わかるかな?
それはね……、人類の歴史がはじまって以来、人の世の中では、
十人のうち、七・八人くらいは“小人”だからだよ。
なのに『これも“小人”だ、あれも“小人”だ』と言って、
みんな排除してしまったら、最後には仕事を任せられる人が、
誰もいなくなってしまうじゃないか。
だから、上に立つ者は、それらの“小人”をじっくりと観察して、
その人物の秀でたところを見つけなくちゃならない。
そして、その人物にふさわしい小さな仕事を任せて、
その才能や技術を発揮してもらうようにすればいいんだよ。
昔、水戸藩の藤田東湖先生が、私に向かって、
『“小人”ほど、細かいことの才能や技術があるのだから、
小さい仕事をしてもらうのには、ありがたいものだよ。
だから、そういう人物も排除せず、何かの仕事を与えて、
ぜひとも働いてもらわなくてはならないね。
ただし“小人”を、人の上に立つような地位につけて、
重大な役職を与えたりしたら、絶対にダメだよ。
そんなことをしたら、必ず国を滅ぼすことになってしまう。
だから、“小人”には小さな仕事をしてもらって、
けっして人の上に立つような役職につけてはいけないんだよ』
と……、そうおっしゃったものさ」
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明治維新は歴史に名を残した人がことを成し遂げたように思いがちですが、
そんな人達を支えた多数の小人がいたからできたということですね。
皆さんの会社を思い起こしてください。
小人の仕事にダメ出しをしていませんか?
小人こそ美点凝視をして、適材適所に配置すべきです。
また小人を用人の位置につけていませんか?
年功序列の時代はよくありましたが、今はそのような時代ではありません。
小人は時間を掛けても用人にはなりにくいです。
用人は用人として採用し、教育し、配置しなければなりません。
当たり前の事を改めて、わかりやすく学べたと思います。
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