【1480】売れないと嘆く前に、売れる構造になっているか?~確率で読み解く購買行動~
私たちは、日々いろんな意思決定をしています。
何かを買う/申し込む/行動する・・・・・・など。
では、「人が購入に至る確率」は、どのように決まっているのでしょうか?
購入率が数字で予測できるといろいろと手が打てそうですね。
たとえば、こんな仮定をしてみます。
◆ 興味を持つ確率:30%
◆ 欲しくなる確率:30%
◆ 条件を検討した上で購入に至る確率:50%
購入する商品やサービスによって、数字は変わりますが、ひとまずの仮定として、
この3段階を掛け合わせると・・・・・・
0.3 × 0.3 × 0.5 = 0.045 → 購入率は4.5% という計算になります。
このように、段階ごとの“通過率”を見える化し、どこで離脱が起きているかを把握する考え方は、
マーケティングや営業の現場でよく用いられる「ファネル分析」の基本です。
そして、それを最もシンプルな形でモデル化したのが、
かつての「AIDMA(アイドマ)の法則」です。
【AIDMAの法則】
マス広告が中心だった時代の購買行動モデルです。
Attention(注意):まず知ってもらう
Interest(関心):興味を持つ
Desire(欲求):欲しくなる
Memory(記憶):覚えておく
Action(行動):購入する
たとえば、各ステージに以下のような確率を仮定します。
※これはあくまで仮の数字であり、一般論や統計データではありません
注意(50%)× 関心(40%)× 欲求(30%)× 記憶(60%)× 行動(50%)= 購入率:約1.8%
「思っていたより低いな」と感じるかもしれませんが、これが現実の“心理と行動の壁”なのです。
私はホームセンター時代に、
チラシや売場の作り方、商品の見せ方、接客等で最終の購入率を高める工夫をしていました。
そのために結果的には購入率はもっと高くなりますが、
何の訴求もしない商品は、購入率1.8%以下だったと思います。
POSからデッドストック商品が表示されるのをうんざりした気分で見た記憶があります。
話を元に戻します。
インターネットが普及して、時代は大きく変わりました。
私たちは、気になった商品やサービスを、まず検索(Search)し、
他社と比較(Comparison)し、必要性を検討(Examination)した上で判断します。
購入前のレビューは非常に重要な判断材料となりますし、
購入後のレビューを書いたり、SNSで共有したりもします。
このような今の時代に登場したのが、現代型の購買モデル「AISCEAS(アイセアス)」です。
【AISCEASの法則】
Attention(注意)
Interest(関心)
Search(検索)
Comparison(比較)
Examination(検討)
Action(購入)
Share(共有)
このモデルでは、検索・比較・検討のプロセスがより重視され、
最終的に購入しても、それで終わりではなく、
SNSやレビューによる“共有”までが影響を及ぼすという考え方です。
ヤフオクやアマゾンのレビュー評価が低いと購入対象すらなりません。
このAISCEASもAIDMAと同じようにプロセス毎の数字を入れてみましょう。
※数字はあくまでも仮定です。
注意(40%)× 関心(35%)× 検索(60%)× 比較(50%)× 検討(50%)× 行動(50%)= 購入率:約1.05%
AIDMAと比べてもさらに低く見えますが、AISCEASにはもう一つの特徴があります。
「Share=シェア」されることで次の顧客が生まれることもあれば、
逆にネガティブな共有が広がるリスクもあります。
つまり、購入率が低くても、一人の行動が他者のAttentionを生むという“好循環”もあれば、
逆の悪循環もあります。
このように、現代の購買行動はより複雑になっています。
だからこそ、私たちも「なんとなく売れた/売れなかった」ではなく、
構造的に購入率を捉える視点が必要です。
すなわち、うちの商品・サービスはAISCEASの内、どのプロセスが弱いのか?
ということを見つけ、対策を施さなくてはなりません。
買われたお客様の声は集めやすいですが、買わなかったお客様の声は集めにくいので、かなり大変です。
次回は、このAIDMA・AISCEASというフレームを
実際の現場や「Team Manager」での業務にどう活かせるのか、という視点でお伝えします。
■本日の教訓
「購入率」は、感覚ではなく“構造”で見ると改善できる。
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