【1482】火葬場はよそで作れ!~正しくても反対される“感情の壁”~
ノット・イン・マイ・バックヤードという言葉をご存知でしょうか?
最近、ある事業計画の相談を受けたのですが、
それはまさにこの言葉がぴったり当てはまる内容でした。
読者の皆さんのまわりでも、きっとこのようなことを経験されていると思います。
今回の相談内容は、そうした場面での対応を考えるうえで、
とても示唆に富んでいたので、今日はこのテーマを共有したいと思います。
■ノット・イン・マイ・バックヤード(以下NIMBY)とは
直訳すると「私の裏庭にはやめてくれ」。
略して「NIMBY(ニンビー)」とも呼ばれます。
意味としては、
「その施設が社会的に必要なのは分かる。でも自分の近所には建てないでほしい」
という、住民の反対や抵抗の心理を指します。
たとえば、次のような施設に対してよく見られます。
・ゴミ処理施設や産業廃棄物処理場
・火葬場
・風力発電施設や送電線塔
・物流倉庫や大型商業施設
・観光地化に伴う新たなホテル開発
人道的・社会的には必要であっても、「自分の生活空間には近づけないでほしい」という声があがる。
これが、ノット・イン・マイ・バックヤード現象の本質です。
■私が実際に見た、ある事例
以前、大都市のど真ん中で、火葬場を併設した葬儀場の施設建設に対して、
反対運動が起きていたのを目の当たりにしました。
企業側は、葬儀と火葬を同じ施設内で行うことで、利用者の移動の手間を省き、
より便利で効率的なサービスが提供できると説明していました。
たしかに、利便性や合理性という視点から見れば筋の通った構想に見えるかもしれません。
しかし一方で、周辺住民からは強い反対の声が上がりました。主な懸念は次のようなものでした。
・環境への影響:火葬場から排出される煙や臭い、騒音による生活環境の悪化
・地価の下落:火葬場の存在によって住宅地の価値が下がるのではという不安
・生活への影響:霊柩車や関係車両による交通量の増加、景観の変化への懸念
こうした声は、技術的な安全性や法的な正当性だけでは納得されにくく、
感情に根ざした拒否反応が計画を止める要因となる、
典型的なNIMBY(ノット・イン・マイ・バックヤード)事例だと感じました。
■NIMBY回避のための事前チェックリスト
もし、あなたやあなたの組織が、地域に関わる事業を計画しているなら、
以下のチェックリストで、リスクの洗い出しをしておくことをおすすめします。
【NIMBY回避のための10のチェックポイント】
1.地域住民への影響(騒音・交通・景観など)を把握しているか
2.不安や誤解を解消する説明材料を準備しているか
3.自治会など地域のキーマンに事前に相談しているか
4.計画の代替案・修正案を持っているか
5.雇用・地域還元などのメリットを明示できるか
6.一方通行でない「開かれた説明会」の準備があるか
7.他地域の成功事例を紹介できるか
8.継続的な住民対応体制を整えているか
9.SNS等での誤解・炎上への対策を考えているか
10.説明責任を果たす「顔」が明確になっているか
■本日の教訓
人は「理屈」で動くのではなく、「感情」で反応する。
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