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【1502】 部下の探究心を潰しているのは上司や社長~ボールビーの「安全基地」理論

【1502】 部下の探究心を潰しているのは上司や社長~ボールビーの「安全基地」理論

 

現在、多くの企業が「自律型人材」や「探究型組織」の育成を目指しています。

社員が自ら課題を見つけ、主体的に解決に向かう姿は理想的ですが、

現実には「提案しても却下される」「何かするたびにダメ出しされる」といった声が少なくありません。

このような環境で、果たして探究心は育つのでしょうか。

答えは「育たない」です。

なぜなら、脳の神経システムがそれを阻むからです。

脳には「大脳辺縁系」と呼ばれる領域があり、ここは不安や恐怖などの情動を処理します。

職場で否定的なフィードバックばかりを受けると、この辺縁系が活性化し、脳は“危険”と判断します。

その結果、創造性や論理的思考を担う「前頭前野」の働きが抑制され、

探究心にブレーキがかかるのです。

つまり、安心できない環境では、脳が“探究するな”と命令している状態になります。

この脳の仕組みを理解するうえで、

心理学者ジョン・ボールビーが提唱した「安全基地」理論は非常に示唆的です。

人は安心できる存在がいることで、未知の世界に踏み出す勇気を持てるのです。

これは職場にもそのまま当てはまります。

上司や経営者が「安全基地」として機能していなければ、社員は探究どころか、

現状維持にしがみつくしかなくなります。

にもかかわらず、「もっと挑戦しろ」「自分で考えろ」と言うのは、

脳の仕組みに逆らった非合理的な要求です。

では、どうすれば探究心を育てる職場がつくれるのでしょうか。

まず、上司や経営者が「安全基地」としての役割を果たすことが重要です。

否定ではなく受容から始め、問いかけ型のフィードバックに転換しましょう。

例えば、「それいいね!」「君はどうしてそう思ったのかな?」「君はどうしたいのかな?」といった形ですね。

また、心理的安全性を高めるために、1on1ミーティングや対話の場を定期的に設けましょう。

1on1では、傾聴がポイントです。

1on1で、日ごろ心に貯めていることを自ら語らせることが重要です。

つい、考えを否定したり、啓蒙や指導をしがちですが、そうすると安全基地が壊れます。

そして、業務に追われるだけでなく、意図的に「のんびりする時間」を設計することも効果的です。

朝遅く出勤する、定時前に早く帰る、連続する休暇を取らせるなどですね。

日常の中に「のんびりする非日常の時間を設ける」ことが、安全基地になります。

脳科学的にも、安心して過ごす時間が創造性を高めることがわかっています。

のんびりしているときこそ、脳は柔軟になり、新しいアイデアが生まれやすくなるのです。

探究心は、安心という土壌の上にしか芽吹きません。

「挑戦する社員を育てたい」と願うなら、まずは“安全基地”としての組織文化を築くことが不可欠です。

社員の脳が「安心していい」と感じたとき、初めて探究のスイッチが入るのです。

■本日の教訓

安心があるからこそ、探究心は芽吹き、育つ。

 

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