【1569】 早期離職は本当に悪いことなのか~早期退職を勧める企業もある~
入社して三ヶ月や半年で辞めていく人がいます。
採用した企業側は、何度も面接を行い、教育研修を施し、今後に期待しているので落胆度は大きいものです。
私自身もそういう場面を何度も見ましたし、同じ経験をしています。
ですが、それは本当に悪いことなのでしょうか。
確かに面接や教育にかけた時間、退職までに支払った給与などは無駄になります。
短期的には時間とお金の損失です。
しかし、退職してくれて良かったという面もあります。
入社して半年(一年でもほぼ同じですが)で辞める理由には、いくつかの共通点があります。
一つは「思った会社と違った」という理由です。
これは会社への理解不足です。
企業側の説明不足も一因かもしれませんが、退職者自身が聞くべきことを聞かなかったことも要因となります。
実際の仕事でも、お客様や上司の説明が不足することは多々あります。
その際は、徹底的に質問し、自ら調査をします。
このように考えると「説明されないことも踏まえ質問・調査する能力」が不足していたと言えるでしょう。
就職活動は自分の人生を決める活動とも言えます。
十分に納得しないまま、自分の人生を決めてしまった、と言えないでしょうか?
もう一つは「自分では仕事が難しそう・・・と感じた」という理由です。
これは挑戦する意欲の欠如です。
やってもいない段階で「できない」と判断するのは、自己肯定感の低さから来る思考です。
このタイプは、仕事を一緒に進める中で、いずれ「できません」と言う場面が訪れます。
このように早期退職は短期的には無駄が出ますが、中長期的に考えると辞めてもらって良かった場合が多いのです。
その人が二年、三年と在籍すれば、そのマイナスの影響は周囲に確実に広がります。
ここで「ZAPPOS」という企業の考え方が参考になります。
ZAPPOSは、独自の企業文化が評価されアマゾンが高額で買収した会社です。
ZAPPOSは、企業文化に合わない人を採らない、入れない、残さないという方針を徹底しています。
文化に合うかどうかを見極めるとは「合わない人を排除する」ことであり、
求職者に対しても自分で二択を迫る仕組みをつくっています。
「この会社でどうしても働きたいか」
「この会社では働きたくないか」
これを求職者自身が判断するようにするのです。
ZAPPOSでは四週間の研修の途中で「辞退するなら2,000ドル差し上げます」と退職オファーを出します。
これは辞めさせるためではなく、迷いがあるなら早い段階で見極めてほしいという意思表示です。
採用後の現場配属時にも同じオファーを行います。
それでも合わない人は即解雇となります。
ZAPPOSの考え方は「美味しい料理は腐った食材では作れない」というものです。
腐ったり癖のある食材は他の食材にも悪影響を与えるからです。
企業文化も同じで、合わない人が残ると全体に影響が出ます。
早期退職は痛手に見えますが、企業文化を守るという視点で考えれば、むしろ健全な出来事とも言えます。
短期の損失よりも、長期の健全性を優先すべきです。
■本日の教訓
早期退職は損ではなく、企業文化を守るための“得”という一面もある。
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