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【第399号】 訴訟を受けたコピーブランドが本家に○○されました

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【第399号】 訴訟を受けたコピーブランドが本家に○○されました

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世界一のギターメーカーはどこか知っていますか?

ギブソン? フェンダー? マーチン? アイバニーズ?

グレコ? ヤマハ?

いずれも違います。

松本に本社がある「フジゲン」です。

世界シェア40%を占め、月産14,000本以上(最盛期)を出荷しています。

創業者は横内祐一郎氏で現会長です。

氏は教育者になりたいという夢を母の願望で断念し、農家の後を継ぎます。

恩師に「日本一の農家になれ」と言われそれを目指し、

手始めに「日本一のナス農家」を目指します。

1本のナスから従来の2倍の収穫があれば、間違い無く日本一になれると言われ

それを研究し、見事に成し遂げます。

それを学びに日本中から若者が学びに来て、氏は「タダの労力」を手にします。

ナスは彼らに任せて、

次に、氏は一頭の乳牛から倍の搾乳ができたら酪農家全体が儲かると考え、

それの研究を始めますが、国内に参考になる資料はありません。

八方手を尽くして探したところ、東京の輸入書の専門店にあるかも?とのことで

松本から東京に向かいます。

英語が全く読めないので、一冊ずつ本を手に取り、

乳牛の写真と搾乳している写真が載っている本を探します。

その本が目指す本かどうか解らないまま、それを買って帰り、

一語ずつ辞書を引きながら、読みます。

幸いにも参考となる記述を見つけ、それを試行錯誤します。

苦労の末、ようやく当初の目標通りの成果が得れる牛を育てることができました。

国からも賞を得るほどの牛となり、その子牛は市場価格の倍以上で売れる程になります。

そんな折、尊敬する教授から

「これからは農業の時代ではない、工業製品の時代」

と言われ、その日の内に農家を辞めます。

「バイオリンが売れている」と聞き、作ったことも無いのに「職人」を十人雇用します。

上記の牛小屋を壊して、製造工場に変えます。

そこそこ売れ始めますが、「これからの時代はギター」と言われ、

ギター製造に転向します。

国産のちゃんとしたギターが無い時代です。

マーチンのギターを購入し、それを分解して、そっくりに数本のギターを作ります。

そのギターをサンプルに東京、大阪、九州に営業に出かけ、

生産できない程の受注を受けます。

大量に作ったギターですが、しばらくすると不良品として毎日山の様に返品があります。

理由は、「音程が狂っている」ということでした。

氏はその時初めて、ギターには「音階」があることを知り、

東京の音楽学校に「音楽理論」を学びに行きます。

この後の紆余曲折は抱腹絶倒かつ涙無くては語れない物語が続きます。

続きを聞きたいとお思いでしょうから、いずれセミナーをしようかな?と考えています。

待ちきれない人は是非、著書をお読み下さい。

「運を掴む~弱小の会社を世界一にした男の物語~」横内 祐一郎

話をメルマガタイトルに関することに戻します。

上記の紆余曲折の後、フジゲンの作るギターは安い上に良い、ということで

1960年から70年代にかけてギター少年だったら誰もが知っている

グレコの下請けとして、ギブソン、フェンダー、マーチン、エピフォンなどの

コピーギターを作っていました。

かつての日本はコピーは当たり前というかオリジナルデザインは売れず

コピーでないと売れない時代でしたから、商標権など無視状態です。

ところが、このコピー製品のできが良かったものですから、

世界的なトップブランドの日本国内の売上不振につながり、

商標侵害等で訴えられたり、クレームを付けられます。

ついにフェンダー社とマーチン社がそれぞれフジゲンに乗り込んで来ます。

訴訟とたっぷりの苦情を用意した彼らはフジゲンの生産工程、

職人達の姿勢、いろんなモノの管理、徹底した整理整頓などを

見て、2社共に同じ様な事を口にします。

「我が社の技術顧問になってください」

フェンダー社はフジゲンに自社工場を視察し、現場指導をして欲しいと依頼します。

フジゲンを訪れたフェンダー社のコンサルタントは

「フェンダーとフジゲンを比較すると、トータルではフジゲンが勝り、

学ぶところがたくさんある。

アメリカの会社は価値をお金に置くが、フジゲンは人間においている。

このフィロソフィにアメリカの企業は勝てない。

企業経営において、フジゲンはフェンダーの比ではない。」

とまで言いました。

この後、フェンダー社は技術提携だけでなく、フェンダーjapan、スクワイアという

エントリーから中級モデルのブランドの製造をフジゲンに委託することになります。

マーチン社も同様で、自社の技術者にフジゲンの研修を受けさせたい、となります。

マーチン社が工場を訪れた際には次の言葉を残しています。

「この会社は世界一の会社です。

いいギターを作ろうと情熱と魅力に溢れています。

是非とも私どもの会社との合併を考えてくれませんか?」

偽造品問題で訴訟を起こしていたギブソン社は

「世界一を誇っていた我が社の地位がフジゲンによって危なくなっている。

品質においてはすでに負けている。その秘密を知りたいので教えて欲しい」

と訴訟を取り下げて工場見学にやって来ます。

見学後に

「フジゲンが伸びている理由は個人個人の成長と

会社という集団の繁栄を直結させているからですね。

アメリカの会社はフジゲンに勝てない気がします。」

と言っています。

その後、『オービル byギブソン』というセカンドブランドを

フジゲンに作らせています。

傘下に入れていたエピフォンもフジゲンに作らせています。

更に、日本市場向けのギブソンの「検品」もフジゲンが行っています。

如何ですか?

訴訟を受けたコピーブランドが本家に頭を下げられ、師事されたのです。

あり得ない話でしょ。

今なら、トヨタとホンダが中国の自動車メーカーに同様のことをするのと同じです。

こんな素晴らしい会社が松本にあるのです。

この物語を知っているギター好きなら、フジゲンこそベストですよね~

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