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【第634号】 日本人の感性は日本語が創る

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【第634号】 日本人の感性は日本語が創る

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美しい

麗しい

という日本語があります。

ベネッセ 表現読解国語辞典によると

美しいは「調和がとれていて、快く魅力的である」

麗しいは「姿かたちが整っていて美しい」

とあります。

日本人であれば、この僅かな感性の違いをなんとなく感じることができます。

小説家はこのように同じ様な意味をもつ言葉を

その場面において最適な感性表現になるように

使い分けて読者に伝えようとします。

美しい、麗しいは共に英語では 

beautiful

となります。

感性の使い分けがありません。

シンプルと言えば、シンプルです。

加えて、日本語を難しくしているのは、漢字、かな、カナ、和製英語を

交えて会話や文章にすることです。

更に、文章には書き手が自由に表現できる「ふりがな」があります。

色光沢に「いろつや」とルビをふったり、

永遠に「とわ」とふったり、

書き手の感性を読み手に伝えるための表現手段としてこだわります。

日本語が難しい極めつけは、たくさんの人称代名詞があることです。

一人称では

わたし、わたくし、おれ、僕、小生、自分、漱石の猫は我が輩と言います。

武士社会では、それがしや拙者、身共などあります。

二人称では

きみ、あなた、あんた、おまえ、貴様、おのれなどです。

相手が複数だとこれに「ら」がつきます。

三人称では

彼、彼女、あいつ、あちら、そちら、そいつ、こいつ、

時代劇ではあやつなども出てきます。

あちらの方、そちらの方、そいつ、こいつなどの使い分けをしていますが

頭で考えて使っていないですよね?

何となくその場の距離感や空気感で使っています。

感性頼りの使い方です。

英語では

一人称は

I We

二人称は

you

三人称は

he she it they 

これだけです。

何故、日本語には人称代名詞が多いのでしょう。

それは、人間関係を相対的に捉えるからです。

相対的に捉えコミュニケーションをとるためには、

人間関係の上下、対等などの立場の関係性、親密性などを

判断し、考慮することが重要となります。

以前に明治の数学者である岡潔先生の

【第573号】「情緒の中心が人の中心」

【第573号】 情緒の中心が人の中心

をお伝えしました。

ここに書いているように、日本人はコミュニケーションにおいて

情緒、すなわち人間関係に感性を加えることを

平安の頃から大切にしていたのです。

故に、日本語は難しいのです。

外国人を雇用している会社では、

できるだけ会話から感性的な表現を抜いて

英語の様に抽象的に話をしないとコミュニケーションに齟齬をきたします。

その上で、日本人の様な感性を持たせたければ、

感性を表現させる言葉の使い分け訓練をすると良いと思います。

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