【第839号】 好き嫌いでも、できるできないでもなく、得意苦手を見る
上司といえども人間ですから、部下への好き嫌いの感情があります。
もし自分が好きな人や気が合う人を集めた組織にしたら、
求める成果になるでしょうか?
厳しいことを言えない馴れ合いの組織になると思います。
もしその組織にいる嫌いだし、気が合わない優秀な人はどう感じるでしょうか?
その組織において力を発揮してくれるでしょうか?
彼も人間ですから、否でしょう。
このように考えると嫌悪の感情は組織に持ち込むべきではありません。
では、できるできないで部下を見た場合はどうでしょうか?
組織を率いて、成果を出すことが仕事ですから、
できるできないで部下を見ます。それは必然です。
できないことは何とかできるようにしたいものです。
ではご自身が上司から
自分ができていないことを指摘されたらどういう感情になりますか?
最初は申し訳なく感じ、何とかしようと努力をします。
しかしながら、努力の甲斐もなく、同じ指摘を繰り返されたらどうですか?
それでも仕事だから、自分が足らないのだから、と自分にむち打つ人もいます。
ですが、そのときに
「何のために頑張っているのですか?」
と問われたら、心から
「それが仕事だから、自分が不足しているから、それを愉しんでいる」
とは口にしにくいですよね。
部下にできないことがあったら、それを組織で補うのがマネジメントです。
部下のできないことをできるように期待するよりも
できる人に任せる方が良いです。
「自分の部下にそういう人がいない」
と他人事のように言う人がいます。
その人は自分の部下の「採用と配属」は人事部任せなのでしょう。
「今の自分の組織にはこういう機能が不足している。
だからこんな人を採用して配属して欲しい!」
と強く訴えるべきと思います。
それが自分の組織で成果を上げたいという強い思いの現れとなります。
このような状況で欲しい人材が配属されたら、一所懸命育てますよね。
人材を人財に磨き上げようとしますよね。
この思いが部下も上司も共に成長させます。
しかしながら、「目の前にそういう人がいない」
という現実にも向き合わないとなりません。
そのときには
「何ができないか=苦手」
ではなく
「何が他のことよりできるか=得意」
を見ましょう。
部下の苦手は克服できても元々それが得意な人には及びません。
苦手を克服させる努力の時間を
得意を伸ばす時間にあてた方が成果に直結します。
自分の部下のできないことは目をつぶりましょう。
それよりも自分の部下のできることをたくさん見つけ、それを伸ばしましょう。
部下の課題を発見し、それを改善するための目標と計画を作るよりも
部下の強みを発見し、それを更に伸ばすための目標と計画を作る方が
やる方もそれを見守る方も愉しいと思います。
2023年は是非、それに挑戦してみてください。