【第866号】 幸せとは
柳沢きみおの漫画「特命係長 只野 仁 ファイナル」に
幸せについて「ハッとする」シーンがありましたので、それを紹介します。
「特命係長 只野 仁」は高橋克典さんが主演のドラマにもなりましたので、
ご存知の方は多いと思います。
主人公の只野仁（ただのひとし）が勤める会社の上司である
入江豊と佐川和雄の会話です。
一部会話を省略しています。
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入江：幸せってホントにやっかいな存在だよな
前にも言ったように幸せって 自分で自分に
「今の私って幸せなんだ」と言いきかせるしかないんだが
佐川：だから それがムズカシイんだって
俺のような凡人にはやってみだけど効かないって
入江：そうだよな
人間って弱いからな
人間の一番の希望は幸せになりたいだけど
不幸ってのは直接に感じることができて
形としてもハッキリとわかるが
幸せってのはハッキリとした形ではわかりにくいよな
不幸は頭で実感できるけど
幸せは心で感じるしかないからだろうな
それに不幸はいつまでも不幸だと実感できるが
幸せって 気分次第でどうにでも変わるからな
たとえば水だ
蛇口をひねればすぐに出てくる
ガスもスイッチひとつで火がつく
これって もの凄い幸せなんだが
誰もその幸せをすぐに忘れる
幸せって当たり前になると
幸せだとは感じなくなるんだ
災害などで一度でも水もガスも出なくなった後で
復旧して最初に水が出た時に
みんなその幸せに大いに感動するのだけどな
温かいフロに簡単に入れるのも本当はすごい幸せなのに
感動もせず当然のようにみんな入っている
水とガスが出なくなって復旧したときの感動もすぐに忘れてしまう
幸せって 不幸と違ってすぐに感じなくなるから
人間は人生の大半の時間を使って幸せを求め続ける
実は幸せなのにな
この矛楯が世の中を人間社会をボロボロにしているんだ
人の世の中がいつまでたっても楽園にならないのは
人間は幸せを実感できない生き物だからだ
つまり本当に幸せを実感する時ってのは
皮肉なことに後になって
ああ あの時は幸せだったんだと
やっと気づくモノなんだな
佐川：幸せは後になってやっとわかるものか
なるほど
入江：だから人間の不幸は永遠に続くのだよ
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如何でしたか？
私はこのくだりを読んだ後、しばらくぼーっとしていました。
実は幸せなのにそれに気づかずに不幸と思っている
ここです！
こう思えないことは社会に対する恥知らずな思考です。
社会の様々な仕組みが日々、ちゃんと稼働していることを当たり前と思い
それに感謝を忘れていることがたくさんあります。
社会は人と人が互いに助け合って、より良くすることで成り立ちます。
その努力の結果がご褒美として利益となり、収入となります。
たくさん役に立てば、たくさんご褒美をいただけます。
役立ちが少なければ、当然ご褒美も少なくなります。
そんなことに気づかずに、若い頃は会社や社会が悪いと嘆いていました。
当たり前にあることが幸せである
そして、
今が幸せであることに気づかないと一生不幸が続く
この考え方にたくさんの方が気づくと人生が変わります。
今起こっている常識外れな事件が減って、日本も少し良くなると思います。
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