【第885号】 人がもつ可能性の引きだし方「偶有性の設計」
経営者から
「うちの社員は頭が固くて、もう少し柔軟に考えて欲しいんだが・・・」
という声を聞くことがあれば、
「うちの社員はもっと杓子定規に考えて欲しい。自由に考え過ぎる」
という声を聞くこともあります。
何故、この違いがあるのでしょうか?
これについて説明をします。
「偶然」という言葉は皆さんご存知です。
久し振りに帰省したら、街中で小学校の友だちと偶然出会った。
夜空を見上げたら偶然、流れ星を見た。
これらは偶然です。
では、次の様な事例は何と言うのでしょう?
久し振りに帰省し、街中を歩いたら
小学校の友だちに会えるのではないかと思い、歩いたら出会った。
星空が綺麗で、今日は流れ星が見れるかも?と思い、
いつもより頻繁に夜空を見上げたら、流れ星を見た。
こういう可能性がある中の偶然を「偶有性」と言い、
この「偶有性」に出会うように考えることを「偶有性の設計」と言います。
子どもがチームプレイでスマホゲームをしているとします。
協力して、敵を倒しますが、決められた(あらかじめ設定されている)ルールに
従って、プレイをします。
ここには「偶有性の設計」はありません。
最近の子どもには見られませんが、私が幼い頃、広場で野球をするときは
敵味方とも9人揃っていることはまずありません。
そこで5人と4人で別れて、ベースが3つしかない三角ベースで
キャッチャーとファーストは相手チームから借りて、楽しんでいました。
本来の野球のルールをそのときの自分達に合わせて、変えて遊んでいたわけです。
また、うちの娘は小さい頃、愛犬と一緒に人生ゲームをしていました。
すべて娘が代行するわけですが、一人では面白くなくても、
愛犬を相手とすることでゲームを楽しめるわけです。
この2つのように状況に合わせて、
遊び方を工夫することが「偶有性の設計」となります。
幼い頃から「偶有性の設計」をしていると、
決められた事を決められた通りにやるよりも、
少しでも良い方法や楽しい方法がないか?を探るようになります。
そこからいろんなアイデアが生まれてきます。
ある仕事を依頼されたとします。
「偶有性の設計」ができる人は、いろんなことを考え、試行錯誤しますから、
任した人も任された人も想定しなかったことに出会う可能性を秘めています。
ところが、依頼されたことを依頼通りにしようとする人は
想定しなかったことに出会う可能性は極めて低くなります。
冒頭の2つの事例をもう一度読み返してください。
「うちの社員は頭が固くて、もう少し柔軟に考えて欲しいんだが・・・」
これは、細かくルールを決めたり、指示をしている組織が陥りやすい状況です。
「うちの社員はもっと杓子定規に考えて欲しい。自由に考え過ぎる」
こちらは、「偶有性の設計」ができる人が多い組織です。
組織の持つ潜在化している可能性を発揮できるのは、こちらの組織です。
厳格に定めたルールを与えるよりも、
最低限のルールに留め、あとは自分達で設計をさせる方が
創意工夫ができる組織として成長します。
追記
スマホゲームに夢中になっている今の子ども達が成長したら、
硬直した思考の脳になるんだろうな?と心配です。
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