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【第1,057号】 予言の自己実現

【第1,057号】 予言の自己実現

 

タイトルに「予言」という言葉がありますが、

今回はノストルダムスや祈祷、占いの類の話ではありません。

「予言の自己実現」は「自己達成的予言」や「自己成就的予言」とも言われる

心理学の学術的な用語です。

1963年~1964年にかけてアメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールと

フォードがある教育現場で実験を行いました。

小学校の1年生から6年生にIQテストを行い、テストの結果に関係なく

無作為に生徒を選び出し、教師に

「この生徒たちはIQが高い優秀な生徒なので、今後成績が伸びます」

と予言のように告げました。

半年後にIQテストを行うと予言された生徒全員の成績が伸びたのです。

何故、予言通りになったのでしょうか?

要因は明確です。

教師が予言された生徒たちに、選ばれなかった生徒よりも関心を持ち、

気に掛け、声を掛け、好意的な態度で接したからでした。

当然、生徒たちはこのような接し方をする教師を嫌うはずはありません。

期待を感じ、それを裏切るようなことはしたくありませんので、

IQテスト以前よりも勉強に力を入れるようになります。

結果、予言通りになったのです。

これが「予言の自己実現」です。

人は他者の期待に応えようとした結果、

無意識の内にパフォーマンスの向上が得られます。

これを「ピグマリオン効果」と言います。

この逆を「ゴーレム効果」と言い、

他者に期待されないことによって、

パフォーマンスが低下してしまうことを言います。

部下を褒めるべきか、叱るべきか、と悩むことが多いと思いますが、

褒めるか叱るかのどちらかではなく、結果的に

「ピグマリオン効果」になるか?

「ゴーレム効果」になるか?

この基準で選択するべきです。

ということは部下の性格をよく知っておかないとならないということですね。

 

 

 

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