【第1,058号】 気づかせる指導法
【第1,057号 予言の自己実現】の続編です。
https://km.kando-m.jp/news/mm1057/
1,057号では
人は他者の期待に応えようとした結果、
無意識の内にパフォーマンスの向上が得られ、
これを「ピグマリオン効果」と言う。
この逆の他者に期待されないことによって、
パフォーマンスが低下してしまうことを「ゴーレム効果」と言う、
とお伝えしました。
これを実際の現場指導においてどのように使うかをお伝えします。
このやり方は元プロ野球選手で、
現在読売ジャイアンツ女子チームで監督をされている宮本 和知氏に
教えていただきましたので、補足を加えながらお伝えします。
「君は足は速いけどバッティングが悪いよね」
「君はバッティングは悪いけど足は速いよね」
前者は美点を述べてから、欠点を指摘しています。
後者は逆です。
宮本氏のご経験から、後者の方が成長するそうです。
前者は欠点を指摘されたことが心に残るので、「ゴーレム効果」となりますが
後者は美点が心に残るので「ピグマリオン効果」となります。
更に後者の場合、選手はきっとこう思うはずです。
「足が速いのを認めて貰ってるんだから、
足を活かすためにはバッティングの練習をもっとしよう」
この気付きとその後の行動は指導者に言われたからではなく、自発的なものです。
前者は、「バッティングが悪いと思われてるんだ・・・」と意気消沈します。
同じことを言っているのに、
言う順番を変えるだけでモチベーションが全然変わります。
前者が良くないのにはもう一つ理由があります。
人は締めの言葉をよく覚えています。
この場合、前者は「バッティングが悪い」
後者は「足が速い」です。
特に問題なのは、本人よりも指導者の方が指導の責任感があるために
よく覚えています。
この選手を見る度に「バッティングが悪い」と感じるか
「足が速い」と感じるかは選手起用の際に強く影響を与えます。
若い頃に遅刻が多かった私は、指導者によく叱られました。
当日の遅刻のことを言われるだけでなく、前回の遅刻、
そしてその前の遅刻のことまで持ち出され、
反省するどころか「この人は根に持つタイプだな、要注意や~」と
自分のことは棚にあげて思った記憶があります。
遅刻した人間へ褒め言葉をくっつけて指導するのは大変ですが、
褒め言葉で終わらせると「ピグマリオン効果」となることを覚えておきましょう。
例えば「遅刻はするけど休まんね」とかでしょう。
「休まんけど遅刻が多いね」とは心への残り方が全然違います。
もう一つ記憶に強く残った宮本氏の指導事例をお伝えします。
一塁への走塁練習のときに、どうも選手が本気で走っていないと感じられた氏は
あるとき一塁ベース横にストップウォッチを持って立たれたそうです。
実際にはタイム計測なんかしていないのに、
一塁を駆け抜けた直後にストップウォッチに目を落とすだけで
選手が真剣に走り始めたそうです。
小道具一つで何も言わなくても緊張感を与えることができます。
私も投球練習時に右に球が抜ける癖があり、
バッターに当たりそうで思い切り腕が触れないときがありました。
そのとき、コーチがピッチャープレートの少し右に立つことで
それが壁となり球が右に抜けることがなくなったことを思い出しました。
こういう事例を実際に仕事の現場でどう使うかはなかなか難しいですが、
電話をかけるときに鏡を見ながらかけるなどは効果的と思います。
プロドライバーには運転席に家族の写真を置かれている人も多いと聞きます。
追記
宮本氏とは「不動産業界を元気にする会」に少し携わった際に
ご紹介をいただきました。
私も野球部で投手でしたのと、故郷が隣町だったこと。
道具を買ったスポーツ店の名前を二人で必死に思い出したり、
よく行くラーメン屋が同じだったりして、話が盛り上がりました。
プロ野球選手として活躍され、読売ジャイアンツの投手総合コーチ、
ロサンゼルスオリンピックの金メダリストでもいらっしゃいますが、
とても気さくな方で、やっぱり凄い人は人格が凄いな~と
改めて感じました。
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