【第1,339号】 「空気を読む」か「自分の意見を言う」か?~職場でのコミュニケーションを考える~
先日、時間調整でコーヒーを飲んでいたら、
隣のテーブルで課長が若手社員に次のようなことを言っていました。
※若手社員が「課長」と呼んでいたので間違いありません。
「会議のときに空気を読むな!言いたいことをハッキリと言いなさい」
最近、私の周辺でも「空気を読むな」という声をよく聞きます。
反面、「場を乱すな」とも言われます。
「どうすりゃいいん?」
というのが正直なところではないでしょうか。
「空気を読む」メリットは次のようなことでしょう。
・コミュニケーションが円滑になる
他人の気持ちや状況を理解することが、適切な対応に繋がります。
・人間関係を壊さない
場の雰囲気を察知して行動することで、誤解を招くような言動を避けれるため、
不要な摩擦を減らすことができます。
相手の意図や感情を汲み取ることで、信頼関係が築きやすくなります。
・トラブルの防止
空気を読むことで、相手が不快に感じる発言や行動を避けることができます。
・チームワークの向上
チームの状況を把握し、それに合わせて行動することで、
無用な衝突や自分自身の突出、遅延を避けることができるため
業務の効率化につながります。
逆に「空気を読む」デメリットは次のようなことでしょう。
・自己犠牲
周囲の気持ちを優先するあまり、自分の意見や感情を抑え込み、
それがストレスや不満に繋がることがあります。
更に個人のアイデンティティが埋没し、自分らしさを失うリスクがあります。
・本心が不明
本心を隠してしまうことで、腹の底が見えず、
周囲が一歩引く関係性となる可能性があります。
・曖昧なコミュニケーション
空気を読むことでハッキリとモノが言えず、相手の意図を誤解したり、
不必要に遠慮することがあります。
特に外国人とのコミュニケーションにおいて齟齬が生じやすいです。
・同調圧力
チームの雰囲気に合わせるために、個人の意見やアイデアが抑制され、
せっかくの「三人集まれば文殊の知恵」である創造性や多様性を失う
ことがあります。
・新しい価値観を受け入れにくい
本心では受け入れにくい新しい価値観やルールであっても、
それを受け入れざるを得ない状況となるため、
一所懸命に取り組む、情熱を傾けることができない可能性があります。
・自己成長の機会損失
自分の考えや意見を出さないことで、
フィードバック(=叱責、称賛、助言)を受ける機会が減り、
自己成長の機会を逃すことがあります。
・本質的な問題解決の遅れ
表面的な調和を優先するため、根本的な課題が放置されることがあります。
議論や対立がイノベーションに繋がることがよくありますが、
それを避けるため、長期的な成長・進化・発展を妨げる可能性があります。
日本社会では特に「空気を読む」ことが求められる傾向があります。
これは、集団主義的な文化や間接的なコミュニケーションを重視する風土が
背景にあると考えられます。
私の会社がある京都は特に「空気を読む」ことを求められます。
「はっきり言ってよ」
と言いたくなることが度々あります。
空気を読むことは大切ですが、自分の意見を言えないことは、
必ずしも良いことではありません。
上記のようにメリットよりもデメリットが多いと思います。
喫茶店での課長さんも若手社員に伝えたかったのはこういうことだと思います。
「空気を読む」ことは決して悪いことではありません。
しかしながら、自分の意見を言えないことは、
成長の機会を損なうことにつながります。
状況に合わせて、適切なコミュニケーションを取ることが、
より良い働き方につながるはずです。
では、どう状況に応じて使い分けたら良いのでしょうか?
「○○君はどう思う?」と意見を求められたときは、
「率直に言わせていただいて・・・」と素直に自分の意見を伝えるべきです。
それが自分にとってもチームにとってもプラスになると信じてください。
ただ、入社して間もない頃は関係性がまだ浅いので、
相手の気持ちを尊重しながら、遠慮がちに自分の意見を伝えると良いと思います。
例えば
「まだ十分に理解できていない(=存じあげていない)のですが、
率直に感じたままを言わせていただくと・・・」
このように前置きをすると良いと思います。
注意したいのは、緊急性が高い状況にあるときです。
このときだけは、早急な判断と対処が必要なので、「空気を読む」余裕はありません。
「緊急事態なので、忖度せずに言いますが・・・」
と伝えると良いと思います。
私自身、結構「空気を読む」と思います。
良い空気ならそのままですが、悪い空気となりそうなときは
「空気を変える」ことを心掛けています。
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