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【第1,411号】 理想は空想とは違う~創造力で未来をひらく 安岡先生の教え~

【第1,411号】 理想は空想とは違う~創造力で未来をひらく 安岡先生の教え~

 

私は東洋思想家・安岡正篤先生のお言葉が好きです。

コンサルタントとして経営者と未来戦略を共に考えるときに、

次の言葉を肝に銘じています。

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理想は空想とは違う。創造力がないのは空想。

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昨年、アメリカのトランプ氏が大統領選で

「自分が大統領になれば、一日で戦争を終わらせる」

と発言したときも、安岡先生のお言葉を思い出しました。

トランプ氏の発言は、一見するとスケールの大きな「理想」を語っているように思えます。

ですがこれは、安岡先生の言われる“空想”です。

空想には創造力がありません。

創造力とは、現実の課題を乗り越え、理想を実現していく力です。

トランプ氏は「プーチンと話せばすぐに戦争を止められる」と繰り返し語っています。

しかし、その一方でゼレンスキー大統領に対しては、公然と批判的な態度をとり、

まるでウクライナの意志や主権は“脇に置いてもよい”かのような姿勢を見せています。

実際、世界が見守る中でゼレンスキー氏と直接口論する場面もあり、

その姿勢が「当事者を抜きに勝手に話を進めようとしている」と映ったのも無理はありません。

国家間の戦争とは、単にリーダー同士が握手すれば終わるような単純なものではありません。

とりわけ、国民一人ひとりが「自分たちの土地を守る」という

強い意思を持って戦っているウクライナにおいては、

その国の代表者を軽視するような発言は、戦っている人々の尊厳を傷つけるものです。

現実の構造や当事者の心情を無視して「うまくいく」と語るのは、

ただの願望であり、行動を伴わない“夢想”にすぎません。

トランプ氏の発言から私か感じた違和感はみなさんも同様に感じられたのではないでしょうか。

では、日本の賃金問題についてはどうでしょうか?

「物価上昇に比べて、賃金の上昇率が低いことが問題だから、

企業はもっと思い切って給料を上げるべきだ」

確かに聞こえはいいです。

経営者も従業員も、基本的には反対する理由はないでしょう。

実際、政府も「構造的な賃上げ」を掲げ、大企業を中心に賃上げの動きが広がっています。

しかし、実態はどうでしょうか?

日本の企業における中小企業と大企業の比率は、企業数で見ると圧倒的に中小企業が多いです。

中小企業庁のデータによると、2021年6月時点での日本の企業数比率は以下の通りです。

・中小企業: 約 99.7%

・大企業: 約 0.3%

このように、日本の企業全体の99.7%が中小企業であり、大企業はわずか0.3%に過ぎません。

このごく一部の大企業の動きを見て、中小企業も右に倣えというのは、“夢想”でしょう。

業績が好調な企業もあれば、原材料費や人件費の高騰に苦しむ中小企業もあります。

「賃上げせよ」という言葉だけが独り歩きすれば、

原資を持たない企業には過剰なプレッシャーとなりかねません。

場合によっては、「賃金が上がる前に企業が倒産する」・・・・・そんな現実が待っていることもあるのです。

財源・雇用構造・物価・税制・・・あらゆる前提条件を無視して、

「うまくいけばいいな」と語るのは、やはり空想に近いものです。

理想には、道筋があります。

現実の制約を理解した上で、それでもなお実現しようとする意思・工夫・努力が重要です。

そのために、創造力が不可欠です。

理想とは、「現実に寄り添いながら未来を切り拓こうとするビジョン」です。

空想とは、「現実への向き合い方をどこか置き去りにした“願望”」と言えるでしょう。

願望がダメだとは言いません。

むしろ、理想のスタート地点は願望であっても良いのです。

その願望に創造力を持ち、地に足をつけて理想に向けて進んでいきましょう。

そうすれば、理想は人を動かし、時代をも動かします。

私たちは、世の中の動きを報道などを通じて、一方通行的に知ることが多くなっています。

けれども、「現実に寄り添いながら未来を切り拓こうとするビジョン」は

表面的なニュースの奥にあります。

安岡先生はこのようなことも言われています。

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「人物に交わるに、面識を以て足れりとせず、心識に至れ。」

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これは、物事の表層だけで判断せず、相手の“心の奥”にまで理解を深めよという教えです。

現代の情報社会においてこそ、この言葉が深く響きます。

だからこそ、私たち一人ひとりが、

「誰が、何を、なぜ語っているのか」

に耳を澄ませ、自らの足で情報を取りに行く姿勢が、

これからの時代にますます大切になってくるのではないでしょうか。

 

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