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【第1,445号】 命令に生き、武人の矜持を自分に問う~小野田寛郎少尉からの学び~

【第1,445号】 命令に生き、武人の矜持を自分に問う~小野田寛郎少尉からの学び~

 

30年、任務を解かれぬまま戦い続けた男をご存じでしょうか?

第二次世界大戦が終わってもなお、「任務解除」の正式な命令が届かず、

フィリピン・ルバング島で約30年間にわたり、ゲリラ戦を継続し続けた日本兵・・・・・・

それが 小野田寛郎(おのだ ひろお)少尉 です。

彼は、命令に、当時の軍人としては当たり前の“絶対の服従”で臨み、

30年を生き抜いたという一点において、現代とはまったく異なる価値観を体現した人物です。

1974年、彼を現地に派遣した元上官が島へ赴き、

直接「任務を終えてよい」と告げたことで、ようやく武装を解き、帰還しました。

その帰還後、周囲から「天皇陛下にお会いしないのか?」と問われ、

彼はこう語ったといいます。

「天皇陛下には会いたくない。自分のような者に陛下が頭を下げるようなことがあってはならない」

この言葉に、私は深い衝撃を受けました。

当時の日本軍では、命令はすべて「天皇陛下の大命(たいめい)」として下されるものであり、

小野田少尉に課された遊撃・諜報任務も、彼にとっては「天皇陛下からの任務命令」そのものでした。

だからこそ、彼はそれを30年にわたり守り抜き、

飢えや病、銃撃戦を乗り越えながらも、命令が解除されない限り、帰還しようとはしなかったのです。

私であれば、ようやく帰国でき、あまりにも変わった日本やかつての戦友の姿をみたときに

命令に真っ正直だった自分を「なんて馬鹿な奴」と思うでしょうし、

陛下から「ご苦労さんでした」と声をかけていただきたいし、

可能なら、侍従長(天皇陛下の身の回りの補佐を統括する最高責任者)に、

恨み言の一つや二つ口にするかも知れません。

けれど彼は、そうではなかった。

「自分のような者に陛下が頭を下げるようなことがあってはならない」

これは忠誠心の一言では片づけられません。

“武人としての矜持”が滲み出た、静かで強い言葉だと思います。

私は、自分の身に起こった理不尽なこと、怒って当然と思えるようなことを誰かに問われたときに、

自分の生き様が顕れる言葉を口にすることができるか?

否です。そこまで強いモノが私の芯の中にありません。

あきらめずに、そんな芯を自分の中に作りたいと思います。

 

もう一つ、ルバング島での有名なエピソードがあります。

戦後しばらく経ってから、一緒に潜伏していた3人の兵の一人がこう尋ねたそうです。

「司令官もいない、作戦要綱もない。こんな状況でどうやって任務を遂行するんですか?」

そのとき、小野田少尉はこう返したと伝えられています。

「これからは、自分たち一人ひとりが自分を指揮するんだ」

なんという言葉でしょう。

司令部もなく、補給もなく、命令の確認も取れないだけでなく、報告もできない状況で、

「自分を自分で律して動く」ということを当然のように語ったのです。

今の時代、「指示が不明確だ」「ちゃんと方針を出してほしい」「指示がなければしなくて良い」と

“指示待ち”になりがちな空気があります。

しかし、誰かの指示を待っている間に、状況は変わり、チャンスは過ぎ、責任だけが降りかかってきます。

本当に大切なのは、

“自分の判断で、責任を持って行動できる”

“自分の中に司令官を持つ”

という姿勢ではないでしょうか。

■本日の教訓

「自分を指揮する力」こそが、逆境を生き抜く最大の武器となる。

 

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