【第1,464号】 傾聴とは、心をまっすぐにすること ~聞く力ではなく“聴く力”~
先日、ある研修で「傾聴」という言葉が頻繁に出てきましたので、
僭越ながら、少し解説をさせていただきました。
その際、時間の都合でお伝えしきれなかったこともありますので、改めてここで整理いたします。
「聴く」と「聞く」は、似て非なる言葉です。
「聞く」は、音が自然と耳に入ること。
一方「聴く」は、心を込めて意識的に耳を傾けること。
実は、この「聴く」という字には深い意味があります。
漢字を分解すると・・・・・・
聴 = 耳 + 直(「十」と「四」を組み合わせると「直」の構成になります)+ 心
つまり、「耳を使って、心を真っ直ぐにして聴く」という姿勢を表しています。
ここでいう「心を真っ直ぐにする」とは、どういうことでしょうか。
ひとつは、「思いやりをもつ」ということです。
相手を思う心なしに、真剣に耳を傾けることはできません。
しかし、思いやるには相手を知っていることが前提になります。
普段から本音を語り合える関係を築いていなければ、
こちらがどれだけ真剣に「聴く」姿勢を持っても、
相手は心の内を明かしてはくれないのです。
そしてもう一つ大切なことは・・・・・・
聴く側がバイアスをもたないことです。
「この人はこういう人だろう」と決めつけたり、
「こういう話になるに違いない」と予測したり、
「わたしならこう思うのに」と私見をはさむことは、相手の本音にふたをしてしまいます。
傾聴とは、自分の心をまっさらにして、
相手の世界に素直に入り込むような姿勢なのです。
ちなみに英語では、「聴く」は listen、「聞こえる」は hear と区別されます。
心理学やカウンセリングの分野では「active listening(積極的傾聴)」という言葉もあります。
これは、ただ黙って聞くのではなく、相手の言葉に心を添えて向き合う態度のことです。
相手の気持ちを“反射する”ような応答も含まれます。
さらに仏教においては「聴聞(ちょうもん)」という概念があります。
これは「仏の教えを聞く」というだけでなく、
心を澄まし、煩悩を捨てて聞くことを意味します。
ただ知識を得るための「聞く」ではなく、
悟りへの一歩として、自己を空にして受け取ることです。
仏教では「空」の大切さをよく説きますが、聴くときも「空」であれということです。
ここにも「聴くことの本質」があらわれているように思います。
話を元に戻します。
心を真っ直ぐにするとは、思いやりと素直さの実践です。
それは日々の人間関係にこそ表れ、普段の言葉にこそにじみ出るものです。
傾聴力とは、信頼関係と自己の在り方が問われる“人間力”そのものなのかもしれません。
■本日の教訓
「聴く力」は、“心を向ける力”である。
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