【第1,470号】 会議は「立って」即決せよ~松下幸之助に学ぶスピード経営~
偶然にも3号続けて、松下幸之助翁の語録を紹介することになります。
今回は、「経営のコツここなりと気づいた価値は百万両」より「会議の非能率」についての一節です。
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会議はおおむね非能率
以前、アメリカの会議について話を聞いたことがありますが、向こうの会議はきわめて簡単だそうです。
たとえば、技術なら技術について会議を開くと、
まず技師長が「今度こういうようなものをこうやるのだ」と説明する。
そして五人なり十人なり、そこに集まっている技術者に「何か意見があるか」ときくと、
たいていの場合、意見はない。
そこで「ではこのとおり決定する、閉会」ということでみなオーケーになるというのです。
というのは、向こうでは、自分の案を説明して意見が出、
それによって内容を変えなくてはならないような技師長だったら、すぐクビになってしまう。
みんなの意見を聞いて変更しなければならないような計画を立てていたのでは技師長は務まらない。
それほど技師長にエキスパートを集めているというのです。
社長についてもまた然りで、
社長が「こうしてこうやるのだ。どうだ諸君の意見は」「賛成」それで決まり、というわけです。
それは社長の威厳におもねる意味で賛成というのではありません。
それほどの実力をもった社長でなかったら、社長がクビになるというのです。
相当前に聞いた話ですので、現在のアメリカでもそうなのかどうか、興味のあるところですが、
そういう技師長や社長が主催する会議であれば、これはきわめて能率がよいでしょう。
ところが、社長が実際の仕事についてはあまり知らず、
「どうだ君、やれると思うのだがどうだ」というようなことを言っていますと、
甲論乙駁、議論百出となって、三日ぐらいもかかることになりかねません。
それはいささか極端ですが、日本での会議というものには、
概してそのような傾向が強いのではないでしょうか。
それでは何かにつけてテンポの速い今日の世の中では、
結論が出たときにはもう状況が変わっているということにもなりかねません。
ですから、会議だからといって、会議室に集まり椅子に座ってするというのではなく、
立ち話で会議をして即決する。
しかもそれでも事態は刻々に変わりつつあるから、その立ち話の会議を状況の変化に応じて何回かくり返す。
それぐらいの心がまえが必要だと思います。
もちろん、事が決まっていても、会議に付いて衆議をまとめねばならない場合もありますし、
実際に衆知を集めるために一ぺんみんなに意見をきいてみようということもあります。
そのように会議にもときによって千差万別、いろいろありますから、いちがいにはいえませんが、
私は会議というものについては一面そういう認識をもつことも大切なことだと思うのです。
※甲論乙駁(こうろんおつばく):「甲がこう言えば、乙がそれに反論する」というように、
お互いに意見が食い違って、議論がまとまらない様子を表します。
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この松下翁の語録を読んで、台湾の経営者との25年以上にわたる交流の中の記憶に残る話を思い出しました。
※人が輝く経営実践会では、台湾APRAという台湾の経営者との交流会を年1回開催しており、私も長年関わっています。
台湾の経営者たちは、心情的には日本企業と一番組みたいと語ります。
けれども実際には、日本企業とはあまり組みたがりません。
その最大の理由が、「意思決定の遅さ」です。
いまだに稟議(※複数の上司の決裁を順番に通していく、日本企業に特有の決裁プロセス)を経て、
時間をかけて物事を決める昭和型のスタイルが時代後れだからです。
いま求められているのは、スピードある経営判断です。
それができなければ、せっかくの技術やノウハウも世界に先を越されてしまいます。
幸之助翁が語った「立ち話で会議をして即決する」という考え方は、
いまこそ私たちに突きつけられたテーマではないでしょうか。
■本日の教訓
経営を動かすのは会議ではなく、スピードと決断力。
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