【1494】 私怨を捨てれるか?~感情は私怨優先、知性は公事優先~
人は、感情で動く存在です。
どうしても「好きか嫌いか」が先に立ってしまいます。
でも、組織や社会の中で生きる以上、「それでは済まされない瞬間」が訪れます。
■「嫌いだけど、評価する」ことができるか?
最近、こんな話を聞きました。
晋の重臣「解孤(かいこ)」は、私怨のある人物を、政敵であるにもかかわらず、
実力を認めて総支配人に推薦しました。
その人物(自分を憎んでいるはずの解孤から推挙された人物)は、
すっかり和解してもらえたと考えて、感謝の意を伝えに行ったのですが、
解孤は弓を構えたまま家に入れませんでした。
そして、解孤は冷静にこう言いました:
「貴様を推薦したのは、国家の公事ゆえだ。お前の才能を評価したまで。
だが、お前を憎んでいるのは私個人の事情だ。
私怨でお前の登用を邪魔するわけにはいかない。
“私怨は公門に入らず”というだろう?」
この話を聞いたとき、私はある記憶を思い出しました。
遠い記憶ですが、強く残っています。
ホームセンターの店長をしていた頃の出来事です。
■感情ではなく、公の責任を優先できるか?
どうしてもソリが合わない部門長がいました。
相手も私を嫌っていたし、私も嫌っていました。
歳も近かったこともあり、衝突の連続。
「辞めてくれないかな?」と思ったこともあります。
ただし、彼は優秀でした。
半期に一度の評価では、どう厳しく査定しても標準以上の点数を取っていました。
そんな評価が2度続いたある日、事業部長から聞かれたのです。
「彼をフロア長として昇格推薦するか?」
正直、悩みました。
嫌いな部下ですし、辞めてほしいとさえ思っていた相手です。
でも、私との相性と店への貢献は別問題でした。
だから私は、推薦しました。
まさか私が推薦するとは思っていなかったようで、その部下は礼を述べにきました。
けれど私は、普段の態度を許したわけではなかったので、
解孤のように弓こそ向けていませんが、つれない態度だったと思います。
今思えば、私怨に流されずに済んで、本当によかったと思いますが、
正直に言えば、推薦したことに喜びはまったくなく、
今でもなんとも言えない不可解な感情が残っています。
■「公」を選ぶ知性が、組織を守る
人を評価する立場にあると、時にこうした“苦い選択”を迫られます。
感情では「私怨を優先」してしまう。
けれど、知性は「公事を優先」せねばならない。
それは、頭ではわかっていても、決して清々しい決断ばかりではありません。
それでも、「公」と「私」を分けて考えられるかどうか。
それが、組織を腐らせないために、何よりも問われる姿勢なのだと思います。
■本日の教訓
「私怨を捨てる」という決断は、いつも苦い。でも、後悔しない。
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