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【第550号】 衆生済度(しゅじょうさいど)
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本日は仏教の教えである「衆生済度」について触れます。
衆生とは、命のある者、心をもつ者のことで、
もう少し絞ると迷いのある者、仏の救済の対象となる者となります。
済度とは、済が救う、度が渡すという意味で、
済度は迷いのために苦しんでいるものを救い、
悟りの世界に渡すように導くことです。
私はかつて善悪ではなく、損得を価値判断の基準としていた時期がありました。
人から何かを頼まれた時も「やらせていただく」ではなく、
「やってやる」という気持ちでした。
仕事も天命とは思わずに「飯の種」という感覚です。
そんな自分が嫌で抜け出したく、いろんな書物も読みあさりましたが、
抜け出せなかった時にある経営者が一度話を聞いてみたら?と
わざわざ東京まで同行してくれ、ある教誨師(きょうかいし)を紹介して下さいました。
教誨師とは、刑務所で受刑者などに対して道徳教育をし、改心するように導く人です。
私が紹介されたのは、死刑囚へ教誨する人でした。
その方が会う死刑囚は殺人など重要犯罪を犯し、死刑の執行を待つ人です。
幾ら反省をしても死刑が取り消される訳ではありません。
いつ執行されるかわからない毎日が不安な彼らの心を救済する「衆生済度」を
無報酬でされています。
また、死刑囚の刑の執行にも立ち会われます。
凄い世界を知っている人です。
この方に出会って、私が善悪でなく、損得勘定に悩んでいることは
自分で自分を衆生済度していることが解り、その悩みこそに価値がある、
と教えていただきました。
一生悩めば良い、死ぬ間際に「そうか」と解れば良い、とも教えていただきました。
人の苦悩はその人にしか解らないそうです。
それを導く助言はできるけれど、理解は強要できないし、
相手が解ったふりをしてもそれには意味が無く、
解らないのならば、解らないまま、悩み続ける姿を見守ることが大切、
とも教わりました。
凄い人は本当に凄いです。
人間関係、上司や部下との関係、仕事やプライベートなことに
様々な悩みを持つのが人間です。
その悩みこそが人間であることの証であり、悩むことで救われる・・・。
そう割り切ることが大事なのだな、と思います。
追記
2018年の大杉漣さんが主役の「教誨師」という映画は
プライムビデオで見る事ができます。
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