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【第566号】 支えて支えられて生きる

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【第566号】 支えて支えられて生きる

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久し振りに南蔵院 林覚乗ご住職の「自分が好きですか?」からご紹介します。

他人に苛ついたり、思うようにならない自分をふがいないと思ったり、

そんな時に目を通すと、それらすら幸せと感じることができる一文です。

今日は無粋な解説や所感はありません。

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支えて支えられて生きる

子育てに忙しい忙しい、というお母さんはたくさんいますが、

同時に自分を育てることを忘れなかったお母さんは、

わずかしかいません。

仕事が忙しい忙しい、というお父さんはたくさんいますが、

同時に自分の成長を願うお父さんはあまりいません。

ひとは、仕事に、家庭に、遊びに多くの時間を費やしても、

自分をみつめることができる時間を、

果たしてどれだけ持っているのでしょうか。

互いに、健康で幸せであるときは、案外気付かないものです。

ある父親は、不治の病に侵された小学校1年の子どもの看病に、

身をすり減らしていました。

子どもはもちろん、自分の運命を知りません。

「元気になったら、遊びに連れていってね」と、

病床で言います。

とても、そんな希望が持てる状態ではないので、

その言葉は一層父親を苦しめました。

許されることなら、自分の生命と引き換えにしてでもこの子を助けてもらいたい、

と切望しました。

と同時に、この世には神も仏もいないのかという悲嘆も漏らしました。

余命いくばくもないことはわかっていたので、

父親は日々やせ衰えていくわが子の手足をさすり、

痛みを増す腹をなでてやることで「俺は、この子の支えになっている」と

自分を納得させる夜が続きます。

それしかできないことを悔しく思いながらも、

その気持ちが通じるかのように、子どもは安らかな寝息をたてています。

ある夜、父親は連夜の看病疲れで、ついウトウトとしてしまいました。

ハッとして目覚めたのは、あごのあたりがモゾモゾと感じたからです。

「何だろう」誰かが手を触れているようでした。

夢を見ているようでもありました。

ようやく頭がはっきりしてくると、

それが子どもの手だったことに気が付きました。

枯れ枝のような腕を伸ばし、自分の無精ヒゲだらけの顔をさすっていたのです。

この瞬間、父親は今まで自分こそが、この子の支えになっていると

思っていたことの間違いを思い知らされました。

もはや死期が近づいた子どもの方が、

自分を支えてくれていたのだと、悟ったのです。

自分が働きかけていることはわかっても、

実は自分自身こそが支えられて生きていることを知っているひとは、

どれだけいるでしょうか。

目には見えない、そんな世界

――――――――ひとびとの中での自分という姿――――――――

そこに気が付くために、常に大きな視野で、感謝の目をもって、

自分自身を見つめていきたいものです。

「わたぼうしコンサート」で発表された次の作品も、

そんなことを私たちに語りかけてくれています。

土谷安文君、17歳、脳性麻痺の男の子とお母さんの詩です。

これを書いて間もなく、彼はなくなりました。

ごめんなさいねお母さん ごめんなさいねお母さん

僕が生まれてごめんなさい 僕を背負う母さんの

細いうなじに僕はいう 僕さえ生まれなかったら

母さんの白髪もなかったろうね 大きくなったその息子を

背負って歩く悲しさの かたわな子だねと振り返る

冷たい視線に泣くことも 僕さえ生まれなかったら

私の息子よ許してね 私の息子よ許してね

この母さんを許しておくれ お前が脳性麻痺と知ったとき

ああごめんなさいと泣きました いっぱいいっぱい泣きました

何時までたっても歩けない お前を背負って歩くとき

肩に食い込む重さより 歩きたかったろうねと母心

重くはないと聞いてくる 貴方の心が切なくて

私の息子よありがとう ありがとう我が息子

貴方の姿を見守って お母さんは生きていく

悲しいまでの頑張りと 人をいたわる微笑みの

その笑顔で生きている 脳性麻痺の我が息子

そこに貴方がいる限り お母さんは生きていく

ありがとうお母さん ありがとうお母さん

お母さんがいる限り 僕は生きていくのです

脳性麻痺を生きていく 僕は生きていくのです

悲しさこそが美しい そんな人の生き方を

教えてくれたお母さん お母さん貴方がそこにいる限り

ここには、お互いに支え合うことの素晴らしさ、

そして、生きる意義の大切さをみることが出来ます。

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