【第872号】 釈迦の教えと武士道
日本人の生活や日本文化、思想に仏教は深く関わっています。
特に死ぬときには多くの人が仏式のお葬式をされていると思います。
私は今まで一度たりとも神式やキリスト教のお葬式に臨席したことがありません。
そんな身近な仏教ですが、
「そもそも仏教って何?」と聞かれたらうまく答えられません。
ということで今回は仏教の教えの基本について書きます。
人は生きていく上で四苦八苦しています。
四苦とは、以下になります。
生(しょう):生まれ、生きるからこそ四苦八苦が生じます。
老(ろう):老いることで、体力や気力が衰え、自由が利かなくなります。
病(びょう):病むことで、痛みや苦しみに悩まされます。
死(し):死ぬことへの恐怖、不安、死ぬときの苦痛などです。
八区とは、上の四苦に以下を加えたものです。
愛別離苦(あいべつりく):親・兄弟・妻子などの肉親や恋人、恩人など
愛する人と別れる苦しみです。
怨憎会苦(おんぞうえく):恨み憎む人と誰もが出会いたくありませんが、
出会ってしまう苦しみを言います。
求不得苦(ぐふとくく):欲しいもの、手にしたいことが手に入らない
悶々とした苦しみです。
五蘊取蘊(ごうんしゅく): 五蘊盛苦(ごうんじょく)とも言います。
思う様に身体を動かさせない、精神的なことをうまくコントロールできない、
そのような状況を言います。
生まれたら死ぬまで、この四苦八苦ととも歩むのが人生です。
では、何故、こんなに苦しいのでしょうか?
仏教の開祖であるお釈迦様は「煩悩」があるからです、と言われました。
煩悩は108あります。
除夜の鐘を108回衝くのは108の煩悩を滅するためと言われています。
この108もある煩悩とは
身心を乱し悩ませ智慧を妨げる心の汚れ
です。
もし、朝起きた時に今日自分が死ぬことがわかっていたら、
四苦の死と八苦の愛別離苦は考えてしまうでしょうが、
他の六苦とは無縁になります。
今日死ぬのですから、死も愛別離苦も超越してしまうかも知れません。
お釈迦様は
常に死を直視していれば、いろんなことが達観できる。
すなわち煩悩を断つことができる、と言われています。
この考えは武士道のバイブルと言える「葉隠」にもあります。
「武士道とは死ぬことと見つけたり」という言葉を聞かれた方も多いと思います。
これは主君のために死ぬという侍や特攻死の心情ではありません。
「葉隠」に以下の様に書かれています。
毎朝毎夕、改めては死に改めては死に、
常住死身(しにみ)になりて居る時は、
武道に自由を得、一生越度(おちど)なく、家職を仕果すべきなり。
毎朝毎夕、死の覚悟を新たにして、
常に死んだつもりでいる時は、
武士道から自由の境地を得て、生涯失敗することなく、職務を全うできるだろう。
※訳は平野尚紀先生によるものです
死んだつもりで腹をくくれ
という教えですね。
四苦八苦も葉隠も似ています。
今日死ぬと腹をくくれば、悶々とすることはない、ということです。
1日1日を「今日死ぬとしたら」と考え、誠実に大切に生きていければ、
悶々とする苦しみの多くは、気にならなくなるのでは?
と思います。
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