【第1,236号】 反射的な反応を克服する~松下幸之助の教えとカーネマンの思考システム~
【第1,235号 松下幸之助翁の言葉から始まる「学び」の旅~人間学と宇宙の理法~】
https://km.kando-m.jp/news/mm1235/
こちらの続編となります。
この号では、松下幸之助翁が田口佳史氏に
「経営とは一つには人間の把握、もう一つは宇宙の理法を知ることである」
と話されたことを取り上げました。
今回はこの「人間の把握」が私にとってとてもプラスになったことをお伝えします。
私は割と「キレやすい」タイプでした。
人前ではそれを見せることはあまりありませんが、
心の中で毒づくことが多く、そんな自分はもちろん好きではありませんが、
生まれ持っての「反射的な反応」であるから・・・、
と半ば諦めの境地にありました。
しかし、幸之助翁の「人間の把握」をヒントに
「キレる(=反射的な反応)」の根っ子を見つければ、何とかなるのでは?
と調べたところ「コレだ!」という要因と対処を見つけることができました。
それを今回はお伝えします。
ノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者であるダニエル・カーネマンは
著者『ファスト&スロー』の中で、人間の思考には
「早い思考(システム1)」と「遅い思考(システム2)」があると述べています。
システム1は直感的な思考で、考えるのに努力が不要、自分でコントロールできない、
第一印象や直感的な思考です。
歯茎をむき出しにして怒る大型犬には瞬間的に恐怖を感じる人が大半だと思いますが、
「この犬は噛みつくだろうか?」「噛まれたら大けがしそうだ」
といった思考をした上で恐怖を感じる訳ではありません。
「ワン」の一声と表情で恐怖を感じます。
これが「早い思考(システム1)」です。
システム2は注意力が必要で、集中できないとうまく考えられないような思考です。
「うまく行かない・・・もっと良い方法があるはずだ」
「何かおかしい。データをもう一度調べ直してみよう」
「このプレゼンは失敗ができない。誰にチェックして貰うと良いだろう?」
このように、深くじっくりと思考しないと突破できないような思考が
「遅い思考(システム2)」です。
カーネマンは、基本的に人間は「早い思考(システム1)」が優先されると言っています。
つまり、何かに直面した際に、すぐに口を開いてしまうと
「早い思考(システム1)」の直情的な発言をしがちになるので、
すぐに口を開かずに、自分の発言が相手にどういう影響を与えるだろうか?
と一旦、「遅い思考(システム2)」を働かせると良いのです。
すなわち、「何かを話す前にちゃんと考える」ことで、
「早い思考(システム1)」ではなく、「遅い思考(システム2)」となるのです。
私は具体的には、
第3代アメリカ合衆国大統領のトーマス・ジェファーソンが言ったことを実践しています。
****************************************************************************
When angry count to ten before you speak. If very angry, count to onehundred.
怒りを感じたら、話す前に10数えなさい。激しい怒りを感じたら、話す前に100数えなさい。
****************************************************************************
私の場合、10数えるときに「落ち着こう」と「悪気はないはず」をそれぞれ3回繰り返すと、
100数えなくても「遅い思考(システム2)」になります。
しかしながら、メールの場合、ちょっと難儀です。
返信するときに読み直すので、そのときにもう一度スイッチが入る可能性があります。
ですので、私は「バタバタしているので翌日返信します」とすぐに断りを送っておいて、
翌日、「遅い思考(システム2)」で返信します。
このような「思考の仕組みを知り、その対処方法を知る(=人間の把握)」ことにより、
キレることがなくなりました。
「人間を知る」ことでお互いが傷つかなくなります。
共存共栄の世の中、とても重要なことと思います。
★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★
本ブログはメルマガで配信されます。
ご希望の方は下記の登録フォームをご利用下さいませ。
https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=afspwg
★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★
☆★☆★☆★「オールインワン」コンサルティングのご案内☆★☆★☆★
●「経営者のメンター」
●「経営戦略の立案とその実行サポート」
●「成果に直結する管理職のマネジメント及びチームビルディング能力向上サポート」
●「働きがい、やり甲斐に繋がる組織・風土及び社員の人格作りのサポート」
●「営業やマーケティングの成果倍増アドバイザー」
これらが一つになったコンサルティングメニューがスタートしました。
これによって、御社の現場力を倍増させ、人財育成と業務成果を高めます。
また、上記から、重要度の高いものを選択して、経営改善するコースもあります。
詳しい内容は下記をご覧下さい。