【第1,253号】 お伊勢さまと犬~覚えておきたい美しい日本の物語~
本日は啓発的なお話ではありません。
日本人として「いいなぁ~」というお話を耳にしたので、共有したいと思います。
「おかげ犬」をご存知でしょうか?
伊勢内宮前のおかげ横丁を訪ねたことがある人はご存知かも知れませんね。
忠犬というと「ハチ公」が有名ですが、
「ハチ公」よりもっと古くから有名な忠犬が「おかげ犬」です。
江戸時代の一番人気の旅行(=夢)は「お伊勢参り」でした。
実に、当時の人口の2割に近い人々が、毎年のように伊勢神宮に参拝していたそうです。
ところが、高齢や病気などで参拝したくてもできない人が全国に多数いらっしゃいました。
そのような方々はどうしたのでしょうか?
実は、自分の代わりに、愛犬に伊勢神宮を参拝させ、天照太御神の御札を入手したのです。
流石に、犬に地図を渡して「行ってこい」は無理がありますので、
ご近所の伊勢神宮に参拝する人に、愛犬を一緒に連れていってくれるように頼むのです。
このように、飼い主の代わりに伊勢神宮に参拝する犬を
「おかげさまで参拝できました」と感謝を込めて「おかげ犬」と呼んだのです。
このおかげ犬は浮世絵にも描かれています。
https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/art-museum/da/enlarge?language=jp&which=0&id=764203
https://museum.isejingu.or.jp/museum/collection/05176.html
浮世絵に描かれているということは、伝聞ではなく、まためったにないようなことでもなく
割と日常的に行われていたと推測されます。
ここに描かれているように、犬の首に風呂敷を巻き、その中に
道中の餌代や船の渡し賃、伊勢神宮で神札を受ける御代などのお金と
「おかげ犬」であることをしたためた手紙が添えられています。
犬が依頼を受けた同行者からはぐれることも多々あったと思います。
そんなとき、首に巻いた風呂敷の内容を見た道中や宿場町の人々は、
伊勢神宮へ参拝する旅人を探して、一緒にお伊勢さんに連れて行くように頼みました。
また「おかげ犬」が迷っていると、餌をやり、泊めてあげ、
その分のお金を「もらっておくね」と犬に伝えて、実費だけを貰ったり、
無事に参拝した後であれば、伊勢神宮の神札と神宮の受領書が風呂敷には包まれていますので、
「お伊勢様の神犬」として、お金を足したり、
「帰路の道中よろしくお願いします」といった手紙を入れたそうです。
更に、小銭が増えて風呂敷が重たくなると、
軽くなるように銀貨に変えてくれる人もいたそうです。
現代の私たちの感覚からすると、犬のお金を盗る悪い人を心配しますが、
「お伊勢参り」が庶民にとってとても大切なことであり、
自分が行けなくて、それを代行してくれる犬へ寄せる思いを考えると
悪事はなかったそうです。
また、おかげ犬のお世話をした人も功徳が積めた、と言われる時代ですので、
積極的に世話をしてくれたと思います。
このおかげ犬も明治維新以降は、交通網の発達によりなくなっていきます。
更に、新しく設けられた「畜産規則」により、
それまで自由に往来を許されていた犬たちも、
飼い主がいない場合は駆除されることになりました。
このような事情により、江戸時代から長く続いたおかげ犬の歴史も終わっています。
お伊勢さんと犬・・・日本人らしい素敵な歴史の一幕と思います。
今は冒頭に述べました伊勢内宮前のおかげ横丁に様々な「グッズ」がありますので、
ご興味のある方は行かれるとよいと思います。
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