【第1,366号】 営業成功率を高めるための具体的戦略~商談成功率を分解し、改善する~
4月から新しい期となる企業が多いため、
2月~3月は来期の計画立案に苦労されている方も多いでしょう。
特に営業部門では、目標数値の設定や、それを達成するために
既存顧客の売上の伸びと落ち込み、新規売上をどの程度見込むか、が課題となります。
既存顧客については、顧客からの情報、ライバルの動向、過去の経験から
大きく外れることは少ないでしょう。
しかし、新規売上の予測は難しいものです。
皆さんの企業では「新規商談成功率」を測定していますか?
商談成功率とは、一般的に「商談件数のうち、成約に至った件数の割合」を指します。
計算式は業種・業態によって異なりますが、基本的な算出方法は次のとおりです。
商談成功率(%)= 成約件数 ÷ 商談件数 × 100
例えば、10件の商談のうち3件が成約した場合、商談成功率は30%となります。
ただし、実際には「他の要素」が影響するため、この数値より低くなることが一般的です。
この点については、斉藤広達氏の著書
『数字で話せ 文系人間がAI時代を生き抜くための「伝える技術」』
に詳しく書かれていますので、参考にされるとよいでしょう。
この本から、「他の要素」を加えた考え方をご紹介します。
**********************************************************************
訪問成功率(30%)× 提案成功率(30%)× クロージング成功率(50%)
=商談成功率4.5%
訪問に対して担当者と話ができれば、次のステップに3割ぐらいの確率で進めるでしょう。
商品提案が成功するのも3割ぐらい。
そして最後のステップまでこぎつければ、50%くらいの確率で商談が成功する。
成功確率はわずかに5%。
**********************************************************************
冒頭の成功率30%とは大きな違いとなっています。
5%は100打数5安打ですから、95は凡打です。
ところが、悲しいことに現実はもっと厳しいんです(ToT)
**********************************************************************
飛び込み営業の場合、その前に大きな壁があります。
それが「面会のアポ取り」です。
今の時代、突然電話をしてアポを取るのは、簡単なことではありません。
もし、10件電話して1件のアポしか取れないとなると、
成功率は0.45%にまで下がってしまうことになります。
アポイントメント成功率(10%)× 訪問成功率(30%)× 提案成功率(30%)× クロージング成功率(50%)
=商談成功率0.45%
**********************************************************************
厳しいですが、これが現実です。
1000打数5安打です。995が無駄骨となります。
私が広告業で営業責任者をしていたとき、
詳しいデータは取っていませんでしたが、体感的に同じような状況でした。
そこで取った施策が 「アポイントメント電話力の向上」 です。
当時、支店単位で研修経費の使い道を自由に決められたため、
電話アポの専門講師を招き、次のような研修を実施しました。
・断られた後の粘り方
・好感度を高める声のトーンや話し方
・ロールプレイによる実践練習
この研修の結果、アポイント成功率が劇的に向上しました。
仮に アポイント成功率が40% になったとすると、先ほどの計算式は次のように変わります。
アポイント成功率(40%) × 訪問成功率(30%) × 提案成功率(30%) × クロージング成功率(50%)
= 商談成功率 1.35%(約74件に1件)
当時は他の営業プロセスについてもロールプレイを徹底し、
控えめに見積もっても各成功率が5%程度向上しました(タイカンテキニデス)。
すると、商談成功率は 2.7% にまで上昇します。
この結果を 「それでも低い」と思うか、「意外と上がる」と思うかは自由です。
しかし、各要素を わずか5%ずつ 向上させることで、全体の成果は確実に改善されます。
この取り組みを通じ、営業チームでは次のような共通認識が生まれました。
「顧客を明確にし、顧客の課題解決に繋がる提案をし、
営業担当者の提案力や交渉力、そして人間的な好感度も上げる」
営業担当者全員がこの目標に向かい、切磋琢磨した結果、成約率が向上したのです。
さらに効果的だったのは、営業担当者を単独で訪問させないことでした。
・できるだけ 上司が同行し、指導を受ける
・上司が同行できない場合は 同僚や後輩 と一緒に訪問し、フィードバックを行う
・訪問後に 改善点を洗い出し、次回のロールプレイに反映 する
このプロセスにより、営業担当者の 成功率が向上 しただけでなく、
チームの士気も大きく変わりました。
・「どうせ無理」ムード → 「これは獲れる!」ムードに変化
・アポイント担当者の努力への感謝の気持ちが芽生えた
結果として、営業プロセス全体が改善されました。
皆様の来期営業目標達成の参考となれば幸いです。
★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★
本ブログはメルマガで配信されます。
ご希望の方は下記の登録フォームをご利用下さいませ。
https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=afspwg
★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★
☆★☆★☆★「オールインワン」コンサルティングのご案内☆★☆★☆★
●「経営者のメンター」
●「経営戦略の立案とその実行サポート」
●「成果に直結する管理職のマネジメント及びチームビルディング能力向上サポート」
●「働きがい、やり甲斐に繋がる組織・風土及び社員の人格作りのサポート」
●「営業やマーケティングの成果倍増アドバイザー」
これらが一つになったコンサルティングメニューがスタートしました。
これによって、御社の現場力を倍増させ、人財育成と業務成果を高めます。
また、上記から、重要度の高いものを選択して、経営改善するコースもあります。
詳しい内容は下記をご覧下さい。