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【第1,425号】 武士道は“武士だけ”のものではなかった

【第1,425号】 武士道は“武士だけ”のものではなかった

 

【第1,424号 なぜ日本人だけが、ここまで「美しく」生きられるのか?】
https://km.kando-m.jp/news/mm1424/

これの続編になります。

「武士道」と聞くと、刀を腰に差した武士の生き様を思い浮かべる人が多いでしょう。

たしかに、もともとは武士階級の行動規範でした。

主君への忠義、名誉を重んじ、私利私欲よりも「義」を選ぶ精神と時には命を賭ける「覚悟」の道です。

しかし、歴史をひもとくと、違う側面があることに気付きます。

「武士道は“庶民の生き方”にもなっていた!」

■ 江戸時代、日本社会全体に染み込んだ「武士道精神」

江戸時代、身分制度があったにもかかわらず、

商人・農民・町人たちも、自らの誇りや美意識を持って生きていました。

なぜでしょうか?

それは、武士という“上に立つ者”の振る舞いが、社会全体の“お手本”だったからです。

そして、江戸幕府が長く続いたことで、武士の道徳観が「民の常識」として定着していったのです。

例えば、私が大好きな池波正太郎先生の『鬼平犯科帳』『剣客商売』では、

武士の振る舞いが社会全体の“お手本”的に語られています。

武士は、たとえ下級武士であっても礼儀作法を大切にし、無駄な言葉を控え、

動作を美しく整えるのが基本でした。

その所作は町人たちの憧れとなり、挨拶や立ち居振る舞いにも

「恥をかかない」美意識が根づきました。

また、武士が黙って頭を下げると、町人も自然に礼を返す姿が時代劇でもよく描かれています。

これは今の時代にも受け継がれていますよね?

会釈をされると会釈を仕返す習慣は武士道が今も生きている証拠です。

■ 農民にとっての武士道

えっ!と思いますよね。

農民は汗水たらして働くことを「誠」としました。

また、嘘をつかず、収穫をごまかさないことを「義」としています。

飢饉のときも公のために年貢をきちんと果たし、

天災や飢饉に耐える「忍耐」もまた美徳とされました。

『二宮尊報徳記』、『二宮翁夜話』、『二宮先生語録』には、

農民の生きる道(農民道=報徳思想)が語られています。

武士道を語った『葉隠』では「武士たる者は主君のために死ぬ覚悟を常に持て」とあり、

『報徳記』『翁夜話』では「農民もまた、天下の民のために生きよ」と語られています。

つまり、「農に生きること」そのものが“道”であり、武士道的だったのです。

■ 商人にとっての武士道

正直に商うことが「誠」、

欲をかきすぎず、地域と共に生きることが「仁」、

金よりも信用を重んじる姿勢が「名誉」。

江戸の豪商・近江商人などは、まさに武士に負けない倫理観で商いを続けていました。

「三方よし(売り手よし・買い手よし・世間よし)」という言葉にも、それが表れています。

■ なぜ日本人は“道”を生きるのか?

1424号で述べましたように、日本人はキリスト教のような「罪と罰」で行動を規定するのではなく、

「型」や「恥」、「名誉」といった内側からの美意識で自分を律してきました。

それが「道」として表現されてきたのです。

柔道、剣道、茶道、華道、書道・・・・・・

どの道にも共通するのは、

・技よりも心を磨くこと

・結果よりも過程を尊ぶこと

・誰も見ていなくても型を守ること

などです。

茶道、華道、書道は中国から伝わった文化ですが、中国では芸や文化止まりですが、

日本にきて、「心」を整える道となっています。

これらはすべて、武士道に通じているのです。

つまり、日本人は「“士農工商”の身分それぞれの道を生きてきた」民族なのです。

・落とした財布が交番に届けられる。

・誰も見ていなくても靴を揃える。

・電車で騒がず、譲り合う。

・スタジアムを掃除して帰る。

これらはすべて、ルールで決められているわけではありません。

しても良し、しなくても良し、

しかしながら日本人は、自然と「そうしたい」と思う心を持っています。

これが、私たちの中に脈々と受け継がれてきた“道”の精神=武士道”によるのです。

【本日の教訓】

日本人は、どんなことも、どんな立場でも、それを道として生きてきた。

 

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