【第1,437号】 「失われた熱意」~なぜ日本だけが世界から取り残されているのか?その1~
国際的な競争力を失っている日本を何とかしないとなりません。
皆さんは、現在の日本が世界の中でどのような位置にあるかをご存知でしょうか?
■世界を相手にした競争力について
スイスのIMD(国際経営開発研究所)が発行する「世界競争力年鑑」によると
日本の順位は、年々確実に下降しています。
1997年:17位
2000年:27位 ▲10位
2024年:38位(67カ国中)▲11位
このように、わずか数年で10位程度、競争力を落としています。
■仕事への積極的な関与意識について
競争力が低下している大きな理由の一つが、「エンゲージメント(仕事への積極的な関与)」です。
エンゲージメントデータとは、
仕事を充実していると感じる労働者の割合で、毎年ギャラップ社が発表しています。
2020年データは下記の通りです。
日本:5%、米国:36%、中国:17%、韓国:12%
2024年のデータで注目すべきは、世界平均23%の中でインドが32%と米国並みに高まっていることです。
インドの急成長の秘密は、この「仕事に対する熱意の高さ」にあるようにも思えます。
一方の日本は……今後、どうなるのでしょうか?
なぜ、日本はこれほどまでに低いのでしょうか?
この問題について、何回かに分けて掘り下げていきます。
今回は第一回として、賃金についてです。
■賃金停滞と経済的要因についてです。
長期にわたる賃金の伸び悩みが従業員のモチベーション低下につながっていると指摘されています。
事実、1990年代以降の約30年にわたって日本の実質賃金はほぼ横ばいであり、
主要先進国の中で日本より悪いのは、
かつて国家破綻寸前だったギリシャくらいと言われるほどの停滞ぶりです。
特に、非正規雇用の急増が賃金停滞の大きな要因となっています。
1980年代には労働力全体の約15%だった非正規社員が、現在では約40%にまで増加し、
正社員より大幅に低い賃金で働くケースが一般化しています。
例えば平均時給は正社員で約2,500円に対し、派遣社員は約1,660円、
パートタイマーでは全国の最低賃金の平均とほぼ同額の1,050円と報告されています。
こうした長期的な賃金抑制は、従業員に「頑張っても報われない」という意識を植え付け、
仕事への熱意を損なう要因となっているのです。
また賃金が上がらない背景には、日本企業が低成長下で人件費削減を優先し、
内部留保や株主配当を重視する構造に移行してきたことも挙げられます。
その結果、経済全体はデフレ傾向が長引き、
従業員の消費意欲や将来への期待も低下するという悪循環が続いています。
特に若手世代にとって、昇給や昇進による報酬アップの機会が乏しい状況は、
働く意欲の減退に直結しやすく、
「どうせ給料は増えない」という冷めた見方を招いていると考えられます。
明日は「制度的・職場環境の要因」について触れます。
■本日の教訓
報われない努力は、やがて熱意を失わせる
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