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【第1,452号】 靖国神社とは何か? ~「YAUKUNI」という本を読んでいた老夫婦に学ぶ~

【第1,452号】 靖国神社とは何か? ~「YAUKUNI」という本を読んでいた老夫婦に学ぶ~

 

先日、電車で目の前に座った年配のご夫婦が目に留まりました。

おそらくアメリカの方で、ご主人は星条旗のワッペンのついた帽子を被られ、

奥様とともに本を読まれていました。

ふと見えた本の表紙に、私は思わず驚きました。

ご主人の本には「YAUKUNI」、奥様の本には「ZEN」と書かれていたのです。

日本に観光で訪れるにあたって、「靖国神社」や「禅」に関心を持ち、学ぼうとしている。

それを目の当たりにし、心から感心すると同時に、はっとさせられました。

私はこれまで、海外に行くときに「観光ガイド本」こそ読んだものの、

その国の宗教や歴史、文化的な背景にまで思いを馳せることは、あまりなかったように思います。

だからこそ、彼らが「YAUKUNI」や「ZEN」という本から、日本を学ぼうとしてる姿に衝撃を受けたのです。

日本人である私たちでさえ、靖国神社について正しく語れる人は、決して多くはないのではないでしょうか?

■では、靖国神社とは何なのでしょう。

靖国神社は、明治天皇の勅命により、

戊辰戦争以降の戦争で亡くなった軍人や軍属を「英霊」として祀るために創建された神社です。

その役割は、戦地で命を落とした人々を国家として弔い、その功績に感謝するというものでした。

ところが、戦後の歴史の中でこの神社が国際的な注目を浴びるようになったのは、

「A級戦犯」が合祀(※)されたことによります。

※合祀:複数の霊を同じ神社に共に祀ること

いわゆる「戦犯」とは、第二次世界大戦後、

連合国による極東国際軍事裁判(東京裁判)において有罪とされ、刑を受けた人物たちのことです。

その中でもA級戦犯は「平和に対する罪」で裁かれました。

1985年、当時の首相・中曽根康弘氏が靖国神社に公式参拝したことで、

中国・韓国が強く抗議し、国際問題に発展しました。

以降、政治家の靖国参拝は、国内外の対立を招く「敏感な問題」として扱われています。

■ではなぜ、靖国神社に戦犯が合祀されているのか。

これには、靖国神社が「宗教法人」であり、国家から独立した立場にあるという点が大きく関わっています。

政府が誰を祀るかを決定できるものではなく、靖国神社自身が宗教的な判断で合祀を行ったのです。

加えて、仏教的な見方もあります。

一般人の死は「魂が解放される」と捉えられる一方で、

犯罪による死刑は「この世での罪が清算された」という理解がなされます。

つまり、魂の救済というよりは、「現世で責任を取り終えた」状態と見なされるのです。

そのため、たとえ戦犯とされた人物であっても、

死刑という極刑を受けたことで、その責任はすでに果たされた・・・・・・とされ、

靖国に合祀される宗教的な根拠が与えられたと言えるでしょう。

だからこそ、「同じように戦争で命を落とした者として」合祀されたのであり、

そのことが必ずしも「その行為を肯定している」わけではないという理解が必要です。

■なぜ靖国神社が、軍人にとって特別な存在なのか。

それは、「国のために命を捧げた者の魂が、そこに還る場所」だからです。

特攻を扱った映画などでは、先に飛び立つ戦友に向かって、

「靖国で会おう。俺も後から追いかける」

といったシーンが描かれます。

彼らにとって靖国は、「戦友とまた会える」特別な場所だったのです。

そこがあるからこそ、死に赴く覚悟ができた・・・・・・そう言っても過言ではありません。

また、遺族にとっても、戦地に散った肉体が戻らない以上、「魂が帰る場所」が必要でした。

靖国は、その心の拠り所となっていたのです。

私たちは、戦争を知らない世代だからこそ、靖国について、

「賛否」以前に「事実を知り」それを後の世代に正しく語れることが大事だと思います。

 

私に「靖国」について考えるきっかけをくれた、電車の中のあの老夫婦に感謝します。。

「YAUKUNI」真剣な顔をして読み進めるその姿が、今も心に残っています。

 

■本日の教訓

事実を知って、賛否を考えよう。

 

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