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【第573号】 情緒の中心が人の中心
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本日は岡潔先生の「風蘭」からの学びをご紹介します。
ところで岡潔先生をご存知の方はいらっしゃいますか?
おそらくあまりいらっしゃらないでしょうが、数学界では有名な人です。
日本よりも海外の方が有名でしょうね。
1901年〈明治34年〉4月19日生まれ
日本の数学者。奈良女子大学名誉教授。理学博士(京都帝国大学)。
京大時代の教え子にノーベル賞受賞の湯川秀樹氏、朝永振一郎氏など
多数の学者に影響を与えられました。
強烈な異彩を放つ業績から、西欧の数学界では
それがたった一人の数学者によるものとは当初信じられず、
「岡潔」は数学者集団によるペンネームであろう、
と思われていたこともあります。
こんな凄い数学者が多数のエッセイを出されています。
今日は1964年に出版された「風蘭」から引用させていただきます。
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わたしは、情緒の中心が人の中心だと思います。
いったい、情緒の中心をまとめているものはなんでしょうか?
表現することばがむずかしいのですが、
しいていうならば愛だと思います。
なかんずく、慈悲心を欠いては、とうていまとまるまいと思います。
情緒の中心がまとまらなければ、
外に現れようと現れまいと、性格分裂です。
ヒトラーとか、スターリンとか、ああいった人たちは、
感覚には以上が認められないから、
医者はそうだとはいわないにしても、
知性のところですでに性格分裂が現れているので、
潜在的凶人ではないかと思います。
わたしは、これはとくに彼らに慈悲心が
欠けていたためだと思うのです。
情緒の中心をまとめているものを、
適当なことばがないから仮に愛という
しかし、愛といわれるものには小我(我執にとらわれた我)が
そうとうまじっていますから、それを十分抜いて
大我(狭い見解や執着から離れた自由自在の悟りの境地)なものに
しなければなりません。
プラトンは恋愛をしなければ天堂(天上界にあって神仏が住むという殿堂)に
はいることができないという意味のことをいったと聞いています。
情緒の濁りはいけない。
情緒は喜怒哀楽によって濁ります。
とくに、人を恨むというようなことをするとひどく濁ります。
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如何ですか?
情緒の中心が人の中心という捉え方にすごく共感できます。
「あの人はどんな人?」
と聞いたときにその方の役職や過去の業績を語ることもありますが、
情緒の中心を「良い風に」語られたいと私は願います。
皆さんはどうでしょう?
追記
およそ数学者とは思えない表現をされる方です。
「紫の火花」で春の月を
爪を立てたような春の月
と表現されたものを見て、鳥肌が立ちました。
素晴らしい表現だと思いませんか?
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